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【兵庫県知事選】再選・斎藤元彦氏を待つ〝イバラの道〟 NHK党・立花孝志氏は「斎藤新党」で再支援へ

東スポWEB 2024年11月18日 6時9分

パワハラ、おねだり疑惑を跳ね返した背景は――。兵庫県知事選が17日投開票され、不信任決議で失職した斎藤元彦前知事が前尼崎市長の稲村和美氏との接戦の末に、再選を果たした。県議会、メディア、県民から選挙前は〝疑惑の人〟とフルボッコにされながらも、潔白を訴えるや徐々に盛り返しての逆転勝利。立役者の一人となったNHK党の立花孝志党首が〝斎藤新党〟結成に動き出すなど熱狂は収まりそうにない。

選挙前の情勢調査では稲村氏にダブルスコアをつけられていた斎藤氏が、選挙戦に突入するや差を縮め、ラストウイークで一気にまくっての再選となった。都道府県議会で、不信任決議から失職、出直し選で再選したのは「脱ダム宣言」で議会と対立した長野県の田中康夫知事(当時)以来、2人目。この結果にあ然としたのは、斎藤氏を県庁から追放したハズの県議会議員たちだ。

斎藤氏を巡る疑惑は、今年3月に県民局長のA氏がパワハラやおねだりを告発した文書が発端で、斎藤氏は「ウソ八百」とA氏を処分。局長を解任されたA氏は公益通報制度で内部通報し、百条委員会や第三者委員会が設置する運びとなる中で、自死したことにより、斎藤氏へのバッシングが加速した。百条委が開かれるも結果が出る前に議会は「県政に深刻な停滞と混乱をもたらした政治的責任は免れない」と不信任決議案を全会一致で可決していた。

出直し選を選んだ斎藤氏に対し、ネットや一部メディアから擁護論が巻き起こった。さらにNHK党の立花氏が「県政改革に不満を感じた誰かが斎藤氏を陥れようとしている」とメディアぐるみでの〝斎藤イジメ〟と主張し、助っ人を買って出て、立候補した。街頭演説や政見放送で、告発文書や既得権益を守りたい県や議会の暗部を音声付きで暴露するなど「兵庫県の闇をぶっ壊す!」と斎藤氏擁護の論陣を張ったことで、潮目が大きく変わり始めた。

斎藤氏の街頭演説会には「斎藤さん、ごめんなさい」「斎藤さん、頑張れ」と連日、数千人の聴衆が駆け付ける〝斎藤現象〟が起き、それまで口下手かつ疑惑に多くを語ってこなかった斎藤氏が、「メディアは本当に正しいのか? おねだりといわれているが、おねだりはしていない」と口を開き始め「パワハラ、おねだりの人」「ツラの皮が厚すぎる」との批判を吹き飛ばしていた。

このSNSや街頭での熱気にのまれた稲村氏は落選後「斎藤候補と争ったというより、何と向かい合っているのかなという違和感があった」と吐露した。

再選を果たしたもののイバラの道は続く。数人の県議が既に斎藤氏にわびを入れているが、議会や県職員との関係は悪化したまま。民意が示されたことで、議会側は再度の不信任決議案の提出をするわけにもいかず、百条委員会や第三者委員会の結果が今後、出る中での双方のにらみ合いも予想される。

立花氏は選挙戦同様に斎藤氏への助太刀を表明した。「斎藤さんを支援する地域政党『真実正義党』を作って、県議会を変えないといけない。ケンカを売ってきた22の市長にも対抗馬を立てないといけない」と表明。兵庫・三ノ宮に半移住し、選挙戦終盤に稲村氏支持を表明した市長たちへの選挙のほか、市議選や来年の参院選、2年半後の県議選で、斎藤氏を支持する候補者を擁立しての〝斎藤新党〟で県政正常化を図るプランを練っている。

斎藤氏は「県政改革をまだまだ続けないといけない。以前の県政を改めなくてはいけない」と宣言。これからの4年間の任期で改革はできるか。真価が問われる。

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