斎藤元彦前知事が再選された17日の兵庫県知事選について「大手メディアの敗北」がネット上でトレンドワードになる中、18日朝にはTBSの役員待遇でもある安住紳一郎アナウンサーがこの件に言及した。
告発者が死亡したパワハラ疑惑などから県議会で不信任案が可決され、斉藤氏が失職を選んで出直し選挙となった今回の知事選。終盤情勢で「猛追」と報じられた斎藤氏が、約14万票差をつけて稲村和美・元尼崎市長を逆転した。安住アナは総合司会を務める「THE TIME,」で「いったいどの情報を信じていいのか分からない、地動説と天動説くらいだと言った方がいらっしゃいますが、皆さんもこういう選挙を初めて見たのではないかと思います。私もそうでした」と明かしてこう続けた。
「そしてテレビメディアに対する批判も十分に自覚しているつもりです。皆さんがテレビに物足りなさを感じている、SNSと比べて、などなどあると思います。私も放送局で働く一人として、昨日の夜からずっといろいろ考えました」
候補者を公平に扱うなど、選挙報道に一定の制約があることにジレンマも感じると告白。それでも「やはり今回はNHK党の立花さん(孝志=候補者の1人)が、後半になって独自の主張をし始めたあたりから、これが本当のことかどうか分かりませんが、このあたりで私たちもきちんと、何が起こっているのかを報じるべきだったと思います」。内部告発した元局長についても「死をもって抗議をするという遺書が、いったい何を意味するのかをもう少し報じるべきだったと今、思っています」と振り返った。
最後に安住アナは「SNSと同じようなことは今のテレビにはできませんが、やはり、プライベート、さらには裏をとること、そして公平にということで、信頼感のある情報を、SNSと並んで選択肢として選んでもらえるように、もう一度作業を丁寧に重ねていきたいと考えています」と述べて締めくくった。