【東スポ音楽館】演歌歌手・岩本公水がデビュー30周年を迎え、記念シングル「瀧の恋歌」(作詞・いとう彩/作曲・岡千秋)をリリースした。重厚感あふれるスケールの大きい楽曲だ。
――新曲はどんな作品ですか
岩本「“瀧”を舞台に男女の恋物語を歌っています。作曲の岡先生が『今声が出るんだから、がんがん声を出して、こぶし回した方がいい』ということで、かなり激しく重厚感のあるメロディーになっています。曲が先に出来上がり、後で詞を付けたのですが、もっと激しいほうがいいという意見が出て、作詞のいとう先生が何度も書き直したと聞いています」
――歌詞に「雄瀧と雌瀧」とありますが、どこか舞台になっている場所があるのですか
岩本「1つの滝が2つに分かれて、多く水が流れるのが雄瀧で、少なく流れているのが雌瀧というのですが、全国各地、いろいろなところにそういう名称の滝はあるんです。いとう先生からは、この曲を聞いている人が、それぞれの雄瀧や雌瀧を思い描いてほしいと聞いています」
――曲をもらった時の印象は
岩本「南郷達也先生に編曲してもらったのですが、イントロもインパクトがあるんです。初めてイントロを聞いたとき、ステージにセリから上がってくるイメージがわきました。最近はこぶしをあまり回さず、自然な感じで歌う楽曲が多かったのですが、今回のようにガンガンこぶしを回す楽曲を歌えているのは幸せな時間だなって感じます」
――30周年ですが、振り返ってみて
岩本「2005年に声が出なくて休んだ時が印象深いです。体調を崩して実家に帰ると、父親から『お疲れさま』『よく頑張ったな』ではなく『なんで帰ってきたんだ!』『歌わなきゃダメだ』って言われたんです。あの時は歌に対して未練もあったし、やり残した感じもありました。その時父に言われて悔しいと思ったことで、今も歌い続けられているんだろうなって思っていますし、歌えている、声が出るというのが楽しいなと思えています」
――これからの目標は
岩本「今回のカップリング曲が『さよならの月~小唄入り~』なのですが、3年ほど前から小唄を習い始めて『ぜひ小唄を』とお願いして作ってもらった楽曲なんです。小唄は節回しも演歌とは違いますが、すごく勉強になるし、粋な世界が面白い。小唄や民謡など、昔のものを歌い継いでいくことも大事かなと思い始めています。ヒット曲を出すことももちろんですが、小唄なども続けてやっていきたいと考えています」