ボクシングの志成ジムは18日、都内で会見を開き、12月31日に東京・大田区総合体育館でWBA世界スーパーフライ級王者フェルナンド・マルティネス(33=アルゼンチン)に所属選手で同級6位の井岡一翔(35)が挑戦することを発表した。両者は7月に、IBF同級王者だったマルティネスがWBA同級王者だった井岡を破って王座を統一して以来のダイレクトリマッチ。マルティネスは10月にIBF王座を返上している。
再び巡ってきたチャンスに「前回負けているので、彼にリベンジしたいという強い思いです」と闘志を燃やした井岡。12戦を行った大みそかのリングに戻ってくることに「ダイレクトリマッチで決着をつけることが大みそかにできるのは特別な思い。節目の日かなと思う」と受け止めている。
前回の試合後は今後のことについては「考えられない」と話していた。「負けたのは果てしなく悔しい気持ちだったんですけど、敗者としてすべてを受け入れた」といい、「マッチメークの厳しさは理解していて、実現するかは分からなかったですけど、もう一度マルティネス選手と戦って彼に勝ちたいという気持ちが強かった」と再起するに至った。
前回はマルティネスの手数に主導権を奪われて0―3の判定負け。敗因の分析とリベンジへの対策を問われると、「それを話してしまうと、どう戦うか分かってしまうので言えない」と話しながらも、「毎試合成長を求める中で、やってきたことを壊して、また新たに何かやっていくのが大体ですけど、一度負けた相手に対して、破壊と再生の中で大きく変えるきっかけになるチャンスと思う」との考えを示した。
一方、リモートで参加したマルティネスは「大変喜んでいる。前回は大変ハードだったがいい試合だった」と再戦を歓迎。この試合を行うことでIBF王座を返上することになるのは「分かっていた」というが、「この試合を受けたいと思った。人々が喜ぶ試合ができたからだ。井岡選手は好戦的でパワフルな選手だった。私自身もこの試合を気に入っていた」と受け入れた理由を説明した。
試合はABEMAで生中継される。〝大みそかの顔〟は再び笑って新年を迎えることができるか。