2023年2月12日に米軍のF―16戦闘機が中西部ミシガン州ヒューロン湖上空で撃墜し、後にカナダ政府が回収した八角形のUFOの正体が解明された。カナダメディアCTVニュースが情報公開請求によって文書を入手し、先日報じた。
23年2月、米国に中国の偵察気球が続々と飛来した。米軍はいくつかを撃墜したが、2月12日のヒューロン湖上空のものは八角形で、他のものとははっきり違った。
八角形UFOの残骸は当時、中国の監視装置の一種ではないかと懸念されていたが、その後、米政府、カナダ政府からの公式発表もなかった。
このたびCTVニュースがカナダ国防省への情報公開請求を通じて入手した黒塗りだらけの文書によると、残骸は数週間後にヒューロン湖の岸辺で発見されたという。残骸が発見された際に「材料とモジュールの両方」を回収した。
カナダ王立騎馬警察は23年3月13日、「このモジュールは気象観測機器を販売する会社のものだ。何か異常がないか分析されるだろうが、大きさを考えると異常はないと思う。撃墜された機体かどうかは不明だ」と、電子メールでカナダ軍に伝えたという。
文書によると、八角形UFOは、ミシガン州にある米国立気象局のレーダー基地から打ち上げられた気象観測気球だった可能性があるという。
この文書の内容について、コロラド大学ボルダー校の航空宇宙工学教授であり、同校の国家安全保障イニシアチブセンター所長でもあるイアン・ボイド氏は「これらの事件に関する情報が依然として不足しているのは、米国とカナダの政府が、実際には国家安全保障上の脅威ではない物体を撃墜したことに当惑したためではないか」と推測している。
1年半以上も米・カナダ政府が八角形UFOの正体を秘密にしていたのは隠蔽ではなく、無害な気象観測気球を撃墜するために戦闘機を派遣したという恥ずかしい事実を黙っておこうとしただけのようだ。