日本維新の会の代表選(12月1日投開票)がスタートしている。本命視される吉村洋文大阪府知事に金村龍那衆院議員、空本誠喜衆院議員、松沢成文参院議員の4人が論戦を戦わせる。
衆院選敗北を受けての党の立て直しや、全国政党化路線の是非などが争点となるが注目の公約もある。松沢氏が掲げる国会議員の世襲制限だ。
一体どういう方法で世襲制限をしようというのか。松沢氏は「法制化を目指したいですが、自民党が絶対に反対するので簡単にはできない。まずは党規で維新はそれを実践する」と、維新から世襲制限を始めたいと話した。
内容は簡単だ。「三親等以内が同じ選挙で自分の後継者として次に出る場合に、同じ選挙区は相続できないようにする。これをやれば例えば小泉進次郎氏が子供を横須賀で出したい場合は、横須賀は無理ですよと。横浜とか川崎なら出るのは自由ですよと」
憲法にある職業選択の自由や立候補の自由を考えれば、政治家の子供に政治家になるなとは言えない。「子供に継がせるのは自由だが親の選挙区はやめましょうという法制化をしたい」
過去に維新の中で松沢氏が世襲制限を提案したことがあったというが、取り合ってもらえなかったという。「それじゃ既存政党じゃないか。身を切る改革と威張っているのに魅力がない。だから石丸(伸二)氏や斎藤(元彦)氏が出てきて、『われわれが新しい政治をつくる』とSNSでやられる」と危機感を募らせた。
実は石破首相も似たような主張をしている。総裁選前に出版した「保守政治家 わが政策、わが天命」(重倉篤郎=編、講談社)では世襲制限に言及し職業選択の自由との兼ね合いから「立法措置だと抵触する恐れもありますから、党の内規でいいと思います」と指摘している。
代表選の盛り上がりによっては世襲制限で石破首相と維新が協力という未来もあるかもしれない。