写真の場面であなたならどうする? 何を切る? 下にある【答え】を読む前にまずは考えてみよう。
オーラスの3着目。放銃したらラス濃厚。2着目もトップ目もテンパイ模様。どう切り抜ける?
【答え=5筒】相手に当たるか当たらないか、までは考えられる。ただし、その先の「当たるかもしれないが見逃しもある」ところまで考えられるのは、レベルが1つも2つも変わってくる。本田朋広(雷)はすぐそこにラス落ちの危険が迫る中で「トップ狙いの見逃しも考慮」しながら、危険牌を切り飛ばした。
対面でラス目の岡田紗佳(サ)は3副露、上家で2着目の浅見真紀(ド)も2副露。この2人のテンパイ気配は、本田にビシビシと伝わっていた。「筒子模様の岡田選手が早々に3副露で、筒子が余っていたのでテンパイ濃厚。鳴き方と切り順に注目すると、1筒を切った後に瑞原さんが切った3筒をカン3筒でチーして南切りでした。この切り順だと5筒を持っているケースが限定されます」
仮に5筒を持っていると仮定すると、鳴く前は1・2・4・5筒や1・2・4・5・5筒、という形になっており、ここから6筒の受け入れを消してまで南を残して1筒を切るのは不自然だ。また別パターンとして2・4・5・5・7・8筒と持っているケースもあるが、これだと5筒と何かのシャンポン待ちには当たらない。
2・4・6・7筒からカン3筒をチーして5・8筒待ちが残ると5筒で放銃になるが「3副露後に瑞原さんの8筒を通しているので、5・8筒待ちもない。単騎やシャンポン待ち、両面待ちに5筒は当たらない」ことが見えた。この時、岡田は7・9筒待ち。完璧に読めていた。
では浅見に対してはどうか。「(浅見選手は)岡田さんの鳴きで岡田さんが5筒を持っているケースが限りなく少なくなったので、相対的に浅見選手は5筒を所持しているケースが高くなります。なので正直、浅見選手には5・8筒より4・7筒の方が危険だと思っておりました。しかし、点数状況的に浅見選手は3着以下に落ちる危険もなく、満貫ツモか、瑞原選手からの直撃で逆転トップが狙える状況でもあったので、仮に5・8筒が当たり牌だったとしても、トップ狙いで見逃してくれる可能性は高いと思ってました」。仮に本田が当たり牌を捨てても、ロンの声がかからない可能性もある。「5筒を切れば、6~9筒なら全てテンパイに取れる」と、素点回復、3着確保につながるルートとして、5筒切りを決めた。
この5筒、まさに浅見の当たり牌。三色同順・發・赤2と、しっかり逆転条件を満たしていた。しかも本田の読み通り、トップ逆転を目指した浅見は5筒を見逃し。直後、本田は6筒をチーして、發切りでテンパイ。そのまま流局となり、ノーテンでのラス落ち回避も成功した。