【岡田紗佳のもう一度見たい麻雀Mリーグ】
11月15日第2試合 南3局0本場=浅井堂岐(フ)、仲林圭(P)、松本吉弘(A)、堀慎吾(サ)
KADOKAWAサクラナイツの岡田紗佳です。このコラムではできるだけ多くの選手を幅広く取り上げたいと思っているのですが、今回の主役は1か月前に続いてチームメートの堀選手です。どうしても再び取り上げたくなるほど、シビれる一局でした。
オーラスの親番を残した南3局、堀選手はラス目で、3着目の堂岐選手とは2600点差です。2枚目のオタ風の北を鳴いてトイトイの2筒4索シャンポン待ちで真っ先にテンパイします。出アガリ2600点、ツモると三暗刻がつくので満貫です。上家の松本選手から2筒が切り出されましたがスルーして、直後に堂岐選手から出た2筒でロンしました。
松本選手からアガらなかった理由は打点です。2600点しかなく、仮にアガったら堂岐選手と同点3着でオーラスの親番を迎えることになります。これでは不利な状況を脱したとは全く言えません。自分以外がツモった瞬間にラスが確定し、仲林選手と松本選手間の横移動でも同点3着。自分がアガる以外では唯一、堂岐選手が放銃した場合だけ単独3着です。これではラス目でオーラスを迎えるのとほとんど変わらないのです。
ここで満貫をツモると2着も見えますし、堂岐選手からの出アガリであれば2600点上の状況でオーラスを迎えられるので悪くはありません。だから松本選手からはスルー、堂岐選手からはロンとなったのです。オーラスは堂岐選手が早々に3900点の手をテンパイするも、仲林選手が1000・2000をツモって終了。南3局があったからこそ、堀選手は3着で試合を終えることができました。
その南3局は最初の選択からなかなかできないものでした。ホンイツか、トイトイや七対子など縦の手にしないとオーラスが厳しくなるということで、リャンメンの7筒から落としていったのです。多くの人が孤立牌の2筒を切りそうですが、縦だけを考えると7筒より2筒の方がマシだからです。ここで残した2筒が重なり、アガリとなりました。私ならばまず2筒は残っていないです。
堀選手の手牌の構成力、点数状況の把握能力、そして胆力の3つが表れた素晴らしい一局でした。