女子プロレス「スターダム」のワールド王者・中野たむが、V3戦に向け闘志を燃やしている。年内最終興行の12月29日両国国技館大会で〝闇に落ちた不死鳥〟こと上谷沙弥(28)を迎え撃つことが決定。かつては師匠と慕われた上谷との決戦への思いを激白し、敵意を向けられるIWGP女子王者の岩谷麻優へも猛反論した。
昨夏のシングルリーグ戦「5★STAR GP」初戦で中野が上谷と対戦した際、上谷が特大プランチャを放ち左ヒジを脱臼。4か月の欠場に追い込んだ因縁がある。今月11日の後楽園大会で上谷に挑戦を表明されると王者も受諾。その際、顔面に黒いスプレーをかけられる屈辱を味わわされ「去年の5★STAR でケガをしたのは全部中野たむのせい」と暴言を吐かれた。この言葉に中野は「本当に上谷は悪に染まってしまったんだなって。同棲してる悪い彼氏でもいるのかな…。女は男で変わるって言いますからね。だから私が上谷を救わないと」と遠くを見つめた。
上谷は2018年10月に中野がプロデュースしたアイドルユニット「スターダム★アイドルズ」に加入し、翌年7月にプロレスラーデビュー。中野は上谷をプロレスに導いた先輩だ。「アイドルになりたかった上谷をプロレスに引き込んだのは私だから、こんな痛くて苦しい思いをさせてしまっていることに負い目はあった」と明かす。その後、上谷は21年12月に中野から奪ったワンダー王座の最多防衛記録「V15」を樹立。中野の罪悪感も消化されたはずだったが…。「1年前のケガを私のせいにするってことは上谷がプロレスを始めたことが間違いだった。これは私が始めたことだから、悪に染まった上谷沙弥を私の手で終わらせる」と力強く宣言した。
中野が勝負する相手は上谷だけではない。先日IWGP女子王者の岩谷から「今の赤いベルト(ワールド)の王者って誰?って感じで存在感もない。別に赤がメインでやる必要ってない」とIWGP女子王座をメインに据えることを要求された。この言葉に中野は「もちろん岩谷の試合は毎回すごい。でもプロレスってドラマじゃないですか?」と反論。「私は5★STAR全敗していろいろ言われたけど、全勝の舞華を倒して因縁の鈴季すずにも勝った。岩谷にはそういうドラマがない。ベルトを取ってから話題の中心にずっといるのは赤いベルトの王者だと思いますけどね」と胸を張った。
最後には「岩谷にもぎゃふんと言わせるためにも、必ず上谷から防衛して2024年最高の締めくくりにします!」と拳を握った。野望に燃える中野が年内最終興行の主役を奪う。