東京・渋谷のクラブでのスリ3件(5月)で窃盗罪に問われた元〝メンズ地下アイドル〟ルル・ジョン・クリス被告(23)の判決公判が21日あり、東京地裁は懲役2年4月、執行猶予5年(求刑懲役懲役2年4月)を言い渡した。
同じフィリピン国籍の友人だったスリの元相棒(24)は先月、懲役2年6月、執行猶予4年が確定。公判では、ルル被告に誘われスリを始め、テクニックも教えてもらったことなどを詳細に証言した。
かたやルル被告は、スリに誘ったのは元相棒だと主張。前回公判の最終弁論でも、弁護人は「共犯者(元相棒)が金銭的に困窮したことから、被告人に対して共同でスリを敢行することを持ち掛け、被告人はこれに応じた」とした。
2人は昨年から同様のスリを重ね、金品を山分けしていた。そのためこの日の判決では「共犯者から誘われて犯行に及んだ、経済的に困っていたなどという被告人の供述、これをそのまま前提としても、(中略)いきさつに汲み入る点があるとは言えず、懲役刑の実刑に処することを選択することも検討しうる事案と言える」とされた。
被害者3人がスられたのは、それぞれ時価2万円、3000円、1万円(現金2135円入り)の財布。その全員と示談成立した元相棒に対し、ルル被告の示談成立は1人だけだ。法曹関係者は「被害額、被害者と示談できてるか、返金してるかどうか、反省しているかが量刑のポイント。元相棒に比べルル被告は反省してなくて、それゆえ示談できないのであれば、ルル被告の方が刑は重くなるかな」。
ルル被告は、前回公判で「どうか私にもう一度やり直すチャンスを与えて下さい。これから一生真面目に生きていきたいと思います」と最終陳述した。ちなみに、常連だったルル被告らを出禁にした途端、スリ被害がパタッとやんだクラブ関係者によると「2人の写真は、要注意人物ポスターとして入口にずっと貼ってます。一生出禁」だという。