“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回は2人とも人見知りで、よく「芸人っぽくない」と言われるという、“ゆる~い”雰囲気を醸し出すコント師の女性コンビを紹介する――。
賞レースの予選など緊張する舞台では気持ちが入りすぎるためか、多くの芸人がセリフを言い間違え、かみ、忘れる。そうした中、本番が強い芸人もごくまれにいます。そんな本番に強い、ブレのない芸人さんです。
【プロフィル】
コンビ名‥デイドリーム
結成‥2023年5月25日
所属‥プロダクション人力舎
養成所‥スクールJCA32期生(2023年入学)
写真左‥きこ
生年月日‥2000年9月20日
写真右‥ふうと
生年月日‥2000年11月28日
自己主張が強いわけでもなく、キャラクターが強いわけでもないが、受け答えがしっかりしていて安心できる。究極の普通。普通こそが一番と思わされます。まだ養成所を出たばかりなのに、今年の女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」準決勝まで勝ち進んでいます。
そんな2人に話を聞いてみました。
――お笑いを始めたきっかけ
ふうと「私は“ちょっと変人”“ずれてる”と言われることがあるので、生かせるかな、と。でもまだ生かせてないかも…。あとスーツが似合わない。悲しいくらい。私に社会人は厳しいかも…」
きこ「将来に悩んだ時に、とりあえず好きなことをやってみようと思って。あと、大学の友人にお笑い好きな人が多かったので、私が芸人になったらちやほやされるかなというもくろみもありました(笑い)」
――賞レースに対する思いは
ふうと「とにかく一つひとつ頑張ろう!という感じです。毎回ものすごく緊張しますが、いい経験、いい思い出になるよう頑張っています」
きこ「賞レースがすべてと思っているわけではないですが、やっぱり目に見える結果が出るとうれしいです」
――将来の目標は
ふうと「いつか、いつかはテレビコントに出てみたいです。1回でいいので! あとはゆる~いラジオかテレビか、何かを相方とゆる~くできたらうれしいです」
きこ「2人だけの番組を持ちたいです。2人とも人見知りなので、他の人がいると萎縮してしまって(笑い)」
――今後の目標は
ふうと「慣れないことや実力不足を感じることが日々たくさんあるので、コツコツと目の前のことを頑張っていきたい」
きこ「よく芸人っぽくないと言われるので、その雰囲気は大事にしていきたい。あとはできるだけ長く続けたい」
――ネタの作り方は
ふうと「私は作ってない。相方、すごい!」
きこ「基本は最初に私が作って、その後ふうとの意見を聞きつつ直していきます」
――コンビ仲が良さそうだが、遊んだりする?
ふうと「不定期で、一緒にシャボン玉をしたりピューロランドへ出かけたりしていますよ!」
きこ「ネタ合わせを兼ねてですがカラオケはたくさん行きます! ふうとはよくデヴィッド・ボウイを熱唱しています」
――人力舎を選んだ理由
ふうと「通っていた大学に養成所が近かったから。大学の帰りに近くの公園でネタ合わせしているコンビを見かけて、なんかいいなーと思ったのがきっかけ。あと所属する夢を見たから。結果的に雰囲気が合っていたので本当に良かった」
きこ「おとなしい人が多いイメージで、自分には合ってるかなと…」
――お互いの相方のキャラクターをわかりやすく説明すると
ふうと「おっちょこちょい。たまに頭をぶつけたり転んだりするので、周りや足元をよく見て歩くとより安心、安全に生きていけると思います!」
きこ「芯のある変人。ごーいんぐまいうぇい」
無理せず一生懸命頑張るという自然体こそが武器かもしれません。これからどう活躍するか、楽しみです。
☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。