今季球団ワーストの99敗を喫したエンゼルスの動きが慌ただしい。今オフのFA市場において投手部門で常にトップに名を連ねている2021年のサイ・ヤング賞右腕、コービン・バーンズ投手(30=オリオールズからFA)と「巨額取引の可能性」があると20日(日本時間21日)、MLB公式サイトのマーク・フェイザント記者が伝えた。
「バーンズが西へ向かい、故郷の近くで投げたいという希望があるなら、エンゼルスは南カリフォルニア出身のバーンズ獲得に動くチームの一つになるだろう」と指摘。さらに「オフシーズンの初めにカイル・ヘンドリックスを獲得したにも関わらず、エンゼルスは先発ローテ―ションの第一線の補強を必要としているのは明らかだ。ただし、球団には先発投手に大金を投じるという歴史はない。もしそれが変われば、エンゼルスが希望リストのトップに躍り出る」かもしれない」とも続けた。
大谷翔平投手(30)が去り、主砲のマイク・トラウト外野手(33)もけがで前半戦に離脱した今季のエンゼルスは屈辱的なシーズンを送り、今オフは積極補強に移行。先発右腕・ヘンドリックス(34=カブスからFA)を筆頭に元本塁打王のホルヘ・ソレア外野手(32)はブレーブスからトレードで獲得し、2022年にはオールスター戦に出場しているトラビス・ダーノー捕手(35=ブレーブスからFA)とは総額1200万ドル(約18億円)で2年契約を結んだ。さらに海外FA権を行使してメジャー移籍を目指している巨人・菅野智之投手(35)の獲得にも名乗りを上げていると言われ、大胆なチーム改革を進めている。
21年にはギネス世界記録に認定された10打者連続奪三振やノーヒットノーランを記録してサイ・ヤング賞を受けているバーンスは今季も15勝9敗、防御率2・92と大活躍。同記者によれば「少なくとも6年間の契約を求めており、おそらく1億7500万ドル(約270億円)から2億ドル(約309億円)の範囲になる」と超大型契約になる見込みで、獲得レースはオリオールズとドジャースが優位に立っているという。
トラウトの3750万ドル(約55億8000万円)とアンソニー・レンドン内野手(34)の3850万ドル(約57億2000万円)の年俸がアダとなって昨オフ、大谷と再契約できなかったエンゼルスにとって札束合戦は分が悪いだろうが、今後の動向から目が離せない。