大相撲の元横綱でNHK中継の解説を務めた北の富士勝昭さんが亡くなった。日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)が21日、福岡国際センターで取材に応じ、亡くなった現役時代の師匠への思いを語った。
北の富士さんは引退後に親方として、九重部屋で元横綱の千代の富士と北勝海を育て上げた。訃報を受けて八角理事長は「体調は良くなかったからね。よく頑張ったんじゃないですか。(7月の)名古屋場所でNHK中継に(VTRで)出て、本人は満足したのかもしれない」と天を仰いだ。
その上で「楽しい師匠だった。よその師匠は知らないけど(部屋を)盛り上げてくれた。怒られることもなかったけど、ほめて(横綱まで)導いてくれた」と明かし、「19歳で関取になった時に『その気になるんじゃない』と言われた。あの親方だから(部屋に)横綱が2人できたんじゃないのかな」と当時を振り返った。
今年に入り面会する機会もあったという。「マンションか病院で会って、(一緒に)よく飲んだ話をした。その時は(北の富士さんは)歩けていた」としみじみと語った。