野球の国際大会「第3回プレミア12」のスーパーラウンド(SR)が21日に東京ドームで行われ、侍ジャパンは米国と対戦し、11安打の猛爆を浴びせて9―1と逆転勝ち。国際大会25連勝を飾った。
広島の坂倉将吾捕手(26)と小園海斗内野手(24)が存在感を見せつけた。まずは坂倉だ。侍の〝扇の要〟がすっかり浸透してきた背番号31は1点を追う5回一、二塁から左腕トンプソンの143キロストレートを右翼線に運ぶ同点二塁打。米国先発の44歳左腕・ヒルに4回までわずか1安打に抑えられていた打線に火をつけた。
小園も続いた。二死一、三塁から3番手・バーノンの内角に食い込む153キロ直球を巧みにさばいて、右翼線三塁打で二者生還。技ありの一打で試合をひっくり返した。そして、その後も7回に3ラン、8回には2ランと2打席連弾で打棒を爆発させ、7打点をたたき出し、打のヒーローとなった。
5戦全勝した一次ラウンドで坂倉は打率4割5分5厘、小園は3割6分8厘と好調。予選を勝ち上がってきた強豪とのサバイバル戦となるSRでも、若鯉のバットがチームに活力を与えている。
追加点のほしい7回には一死から坂倉が死球で出塁。DeNA・桑原も死球で一、二塁とし、小園が右翼席へ貴重な3点本塁打を放ち、米国を突き放した。
先発した中日・高橋宏は4回70球を投げて2安打無失点、8奪三振の快投。初回を三者連続で空振り三振に斬って捨てるなどセ・リーグの最優秀防御率賞を獲得した底力をまざまざ見せつけた。
だが、2番手の西武・隅田が5回先頭のトーマスにソロを被弾。東京ドームは重苦しい雰囲気となったが、カープが誇る2人のバットマンが嫌なムードを瞬く間に断ち切った。
SR初戦で強敵・米国を相手に大勝した試合後の井端弘和監督(44)はグラウンド上でのインタビューで「序盤は相手ピッチャーのストレート、変化球が冴え、打ちあぐねていたが焦らずに戦えた」と満足げな表情。2本塁打を放った小園に関しては「レギュラーシーズン2本なんで。ここで2本打って、あと3試合あるので、もっと打ってほしいですね」と白い歯をのぞかせつつ、さらなるハッパをかけた。
22日のSR第2戦は対ベネゼエラ。この日の大勝に浮かれることなく、指揮官は「いいプレーとともにスタートを切れた。明日以降にもつなげていきたい」と気を引き締め直していた。