米大リーグの最優秀選手(MVP)が21日(日本時間22日)に発表され、ナ・リーグはドジャースの大谷翔平投手(30)、ア・リーグはヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(32)が選ばれた。両リーグともに大本命が満票で選出されて波乱なしの決着となったが、米メディアでは意外な選手への投票が話題となっている。
ア・リーグ10票で1票を獲得したタイガースのタイラー・ホルトン投手(28)で、今季は先発から抑えまでフル回転。66試合に登板し、7勝2敗、15ホールド、8セーブ、防御率2・19をマーク。米メディア「ラリー・ブラウン・スポーツ」は「タイガースのプレーオフチームにとって非常に立派な数字だが、ホルトンが今シーズン、ア・リーグ全体でベストパフォーマーの10人であったと示唆するのは大げさだ」とバッサリ切り捨てた。
選考はレギュラーシーズンの成績が対象で、全米野球記者協会会員30人による投票で争われた。ア・リーグ10位票1票で1ポイントだった選手はホルトンを含め5人いたが、コリー・シーガー(レンジャーズ)、セス・ルーゴ(ロイヤルズ)、ホセ・アルトューベ(アストロズ)、フラムバー・バルデス(アストロズ)とビッグネームばかりだ。
シーガーは打率2割7分8厘、30本塁打、74打点、ルーゴは16勝9敗、防御率3・00、アルトューベは打率2割9分5厘、20本塁打、65打点、22盗塁、バルデスは15勝7敗、防御率2・91をマーク。この成績と比べれば、ホルトンは〝役不足〟だという。
2020年のMVP投票では21試合に救援して防御率3・91だったカブスのライアン・テぺラに10位票が1票入り、記者が投票ミスを謝罪する騒動になった。同メディアは「2020年のライアン・テヘラは、MVP投票を受けたMLBで最も無名の選手の座を奪われたかもしれない」とも報じ、ホルトンへの投票者がトロント・スター紙の記者だと明かした。