〝強メンタル〟だ。大相撲九州場所13日目(22日、福岡国際センター)、大関豊昇龍(25=立浪)が新大関大の里(24=二所ノ関)を退けて12勝目を挙げた。
土俵際まで追い込まれたが、とったりで逆転勝ちを収めた取組後は「動きは悪くなかった。押して、押して、押して相撲を取りたかったけど、とにかく勝って良かった。最後(の決まり手)はまったく覚えてないけど、しっかり集中していたから体が反応できた」と充実した表情を浮かべた。
9月の秋場所で優勝後に大関昇進した対戦相手の注目度は高く、取組前には観客席から手拍子付きの〝大の里コール〟が飛んでいた。これに豊昇龍は「(声援が)大きかった。しっかり集中できていたので、まったく気にしてない。〝豊昇龍コール〟もあったね」と余裕の表情だ。
この日に大関琴桜(27=佐渡ヶ嶽)が1敗を守り、賜杯争いは事実上2人に絞られた。豊昇龍は「優勝? 全然そういう意識みたいなものはない。しっかりその日の相撲のことだけを考えて、結果がついてくればいい」と気を引き締めた。
そして、最後に「もう疲れたので(笑い)。残り2日集中してやりたいね」と自ら取材を切り上げ、支度部屋を後にした。