ソフトバンクのリチャード内野手(25)が22日に福岡市内の球団事務所で契約更改に臨み、1時間を越える交渉の末、球団側からの提示にサインせず保留した。
交渉を終え「怒りの保留とかではなくて、まだ話がしたかった。金額とかではない。ハンコを押したら一年間頑張らないといけない。今の思いで押しても…」と口をつぐんだ。
7年目のシーズンを迎えた今季は15試合の出場で打率2割2分6厘、0本塁打、1打点。「僕も結果を残せなかった」と口にしながらも、出場試合の約半分が代打起用だったことについて「三振したら終わりっていう(起用は)タイプ的に合わないんじゃないか」と球団側には本音を伝えたという。
二軍で5年連続本塁打王を獲得した25歳は「ホークスで頑張るのが一番なんですけど、誰かのケガ待ちというのも嫌」と口にし、他球団への移籍も含めて出場機会を切望した。
一方、球団側は移籍も視野に入れ始めているリチャードに「戦力として見ているから、それはできない」とのスタンスを示した上で「うちは特に競争が激しいので大変なのはわかるけれども、とても期待しているし頑張ってほしい」(三笠GM)とハッパをかけた。
リチャードが出場機会を増やし、浮上のきっかけを作るためにはどうすればよいのか。三笠GMは「端的に言えば、二軍でもっと打つこと。率のところですよね」と指摘。そして「うちのR&D(のデータ)では、一軍だと(二軍から)6分くらい打率が下がる。上で1割台だと、毎日の勝ち負けが重要な一軍で継続して使うのはかなり勇気がいる。軽打に徹しろとは言わないが、精度を上げていくことが課題」とも続け、理路整然と説明した。
王会長からも期待をかけられる未完の大砲。いったん持ち越しとなった契約更改はどのような形で決着がつくだろうか。