兵庫県知事選のカオスが続いている。
17日に投開票された知事選は序盤の劣勢をはね返し、斎藤元彦氏が再選。勝因はSNS戦略の巧みさで、パワハラやおねだり疑惑を脇に置き「vs既得権益」の構図に持ち込んだ。
〈SNSの勝利〉〈オールドメディアの敗北〉
そうした声も上がるなか、元明石市長の泉房穂氏は17日放送の「Mr.サンデー」(フジテレビ系)で、斎藤氏に対し「私、一面的な見方でかなり厳しいトーンでこの間対応してきたことに尽きまして、今回民意を見て私も反省するところが多く、お詫び申し上げたいと思います」と謝罪した。
同様に元宮崎県知事の東国原英夫氏も19日、自身のユーチューブチャンネルで「一面的な見方でかなり厳しいトーンでこの間対応してきたことにつきまして(中略)おわび申し上げたいと思います」と頭を下げた。2人とも自身の発言に関する〝戒め〟があったのだろう。
そうした矢先、これまでのイメージを覆しかねない新たな騒動が勃発した。PR会社の女性が「note」で、斎藤陣営の広報全般を担当したと明かし、陣営の戦略的広報について詳しく解説したのだ。特にSNS戦略について説明しており、応援アカウントの立ち上げやハッシュタグを活用して流れを作る重要性などが説かれている。
つまり、勝手連的に盛り上がったと思われた選挙戦が、実はステマのように誘導されていたかもしれないのだ。
斎藤氏側は女性の会社に報酬は支払ったものの、それはあくまで「ポスター代」と主張。「法に抵触することはしていない」と述べているが…。
弁護士の若狭勝氏は23日に更新したユーチューブの中で「ポスター代を払うというのも不自然なのですが、それに相応する金額なのか。それを上回る金額が授受されているのか。金額を詰める必要があります」と指摘。今後について「公職選挙法違反の運動買収、有料ネット広告禁止という犯罪の疑いがある」とした上で「捜査機関が何も動かないで終ってしまう可能性は少ない」と予想した。
再びピンチに陥った斎藤氏。全面謝罪した泉氏と東国原氏にとっても想定外だろう。
「この問題はワイドショーや報道番組でも取り上げるそう。コメンテーターを務めることの多い泉氏と東国原氏はどういう立場で発言するつもりなのか。もう一度手の平を返すのか。何ごともなかったかのように接するのか。それとも中立的な発言を心掛けるのか。視聴者は注目しています」(テレビ関係者)
ブレブレのイメージだけは避けたいところだが…。