師匠も歓喜の涙だ。大相撲九州場所千秋楽(24日、福岡国際センター)、大関琴桜(27=佐渡ヶ嶽)が大関豊昇龍(25=立浪)との相星決戦を制し、14勝1敗の好成績で初優勝。父で師匠の佐渡ヶ嶽親方(元関脇琴ノ若)が息子の奮闘に喜びを語った。
この大一番を、同会場に停めた車の中で見守った佐渡ヶ嶽親方は「うれしい限り。琴桜は秋巡業と場所前の稽古がしっかりできていた。(二所ノ関一門の)連合(稽古)でも(新大関)大の里を相手に下がることがあまりなかった。そういうのが自信につながったんじゃないのかな」と充実した表情を浮かべた。
大関5場所目での初優勝は、祖父で元横綱の先代琴桜と同じタイミング。佐渡ヶ嶽親方は「先代から『弟子の出世が一番うれしいんだよ』と言われていたので、もう(佐渡ヶ嶽部屋の)誰が優勝した時でも涙は出る。だから、見つからないように(車内で)見ていた(笑い)。私がスカウトした弟子の中で、一番最初に優勝してくれたのが息子だった。親として、師匠としてうれしい限りです」と目を潤ませた。
その上で「本人(琴桜)も私とおかみ(母の真千子さん)に対しては敬語しか使わない。普通はみんな実家に帰れば(親に)甘えるだろうし、いろんな話もするだろうけど…。今日だけはちょっとだけ親にさせてください」と報道陣に笑顔で語った。