大相撲九州場所(福岡国際センター)で初優勝を果たした大関琴桜(27=佐渡ヶ嶽)が、今年の本場所をともに盛り上げたライバルへの対抗心を語った。
琴桜は25日、福岡市内の部屋宿舎で一夜明け会見を開いた。千秋楽で大関豊昇龍(立浪)との相星決戦を制し、14勝1敗の好成績で初の賜杯獲得。今場所について「(15日間で)ターニングポイントはなくて、逆に負けた日もパッと切り替えて、ずっと同じメンタルで駆け抜けられたのが一番良かった。あんまり一喜一憂というか、その気持ちの強弱も大きくなくフラットにいけました」と振り返った。
1月の初場所で13勝を挙げて大関昇進を決めたが、横綱照ノ富士(伊勢ヶ浜)との優勝決定戦で敗れた。その後は幕内尊富士(伊勢ヶ浜)が春場所で新入幕優勝を果たし、新大関大の里(二所ノ関)が夏場所と秋場所を制した。
〝新鋭〟が台頭した歯がゆい期間について、琴桜は「もちろん悔しい気持ちはあった。だけど、それをどうするかは自分次第だし、難しく考えても仕方ないと思っていた。他人がどうこうではなく、自分自身がどうやっていくかが一番大事かなと。本当に悔しい気持ちはあったけど、それは出さずに自分で心の中にしまって、歯を食いしばってやるしかないと思っていた」と当時の心境を吐露した。
来年の初場所(1月12日初日、東京・両国国技館)では、豊昇龍とともに初の綱とりに挑戦する。また、大の里は大関昇進後初の場所で、9勝6敗と悔しい結果に終わった。
琴桜は「(大関陣で)もちろんお互いに負けたくないでしょうし、そういう気持ちは本当に大切だと思う。そういう強い気持ちで、譲らないという気持ちでやっていくのがお互いのためになるし、戦っていく上でも必要なことだと思う。本当にいい存在だと思うし、いい環境」と力説した。
その上で、初場所での綱取りに向けて「未知数な部分があるので想像はつかないけど、そのぐらいの方があまり考えなくて済む。もうやるしかないですから。しっかりやれる準備をして、覚悟を決めてやっていくだけ」と気を引き締めた。