「最優秀バッテリー賞」のパ・リーグ部門に選ばれたソフトバンクの有原航平投手(32)と甲斐拓也捕手(32)が25日、都内で行われた表彰式に出席。有原は初受賞、甲斐は2020年に千賀(現メッツ)と受賞して以来、2度目の受賞となった。
充実感が漂っていた。今季、有原が登板した全26試合で甲斐がマスクを被り、右腕は14勝を挙げ最多勝を獲得。イニング間にも積極的に意見を交わす同学年バッテリーがリーグ制覇のひとつの原動力となった。有原が「(今年の)キャンプから狙っていた賞なので、本当に取れてうれしい」と話せば、甲斐も「こうやって一年間(バッテリーを)組んで、賞をいただけるのはすごくうれしい」と喜びを口にした。
女房役には昨年の段階ですでに自信があった。23年シーズン、ホークスに加入した右腕の球を受けていく中で背番号19には「これはいけるぞ」という思いが生まれたという。「昨シーズン中頃からバッテリーを組んですごく楽しかったし、やっていく中で面白いものがあった。いろいろ話をしますし、有原もいろいろ言ってくれるので『これは取りたいな』と思いました」。有原も「優勝するためにはこういう賞を取れるくらいの成績は必要だなと僕も拓也も思っていた。しっかり狙ってきました」としてやったりの表情を見せた。
互いの信頼も大きい。有原は「なによりブロッキング。僕は本当に落ちる球をたくさん投げるので、走者が三塁にいてもなんの心配もなく、本当にワンバウンドを狙って投げていた」と話せば、甲斐は「エースとしてイニングを投げ切ってくれるし、修正もできる。本人もかなり相手チームのデータを見ている。勝ちにつなげるための準備をものすごくしている投手」と右腕を称賛した。
甲斐が国内FA権を行使しているため、来季もこのコンビが見られるとは断言できない。相棒の行方について有原は「本人の決断が一番なので悔いない選択をしてほしい」と意思を尊重するが、「来季も一緒にこの賞を取りたいか」という問いには「ぜひお願いします。一緒にできたらなと思います」と力強く本心を語った。
式では笑顔を見せるなど、終始穏やかな雰囲気が流れた。グラウンドとは違う形で、二人の信頼関係が垣間見えた時間だった。