慶大大学院教授の岸博幸氏(62)が26日「X」(旧ツイッター)を更新。厚生労働省が提案している“国民年金底上げ案”に苦言を呈した。
厚労省は25日、社会保障審議会年金部会を開き、将来的に全ての人が受け取る基礎年金の水準を引き上げることや、在職老齢年金制度の水準を引き上げることや、在職老齢年金制度の見直しなどが話し合われた。
その中で厚労省は全ての人が受け取る基礎年金を底上げする案を出した。その財源は会社員が加入する厚生年金の積み立て金を基礎年金に回すというものだ。これには厚生年金に加入している会社員からは反発の声も出ている。
この案に岸氏は「これって、国民年金(自営業、非正規、専業主婦)の赤字を厚生年金(サラリーマンと企業が払う社会保険料)で穴埋めするという、これまでひっそりやっていたことをパワーアップして堂々とやりますと宣言したに等しい」と指摘。
その上で「取りやすいとこから取るだけのその場凌ぎはいい加減止めろ」と批判の声をあげている。
年金制度は20歳以上、60歳未満の人が加入する国民年金(基礎年金)が基本で、会社などに勤務する人は厚生年金に加入する「2階建て」となっている。