「NPBアワーズ 2024」が26日に東京都内のホテルで開催され、DeNAを26年ぶりの日本一に導いた三浦大輔監督(50)が「正力松太郎賞」を受賞した。球団では前身の大洋時代も含め、指揮官として初受賞だ。かつては「大成しない」と言われてきた投手出身監督だが、いまや12球団中6球団の指揮官が元投手。球界の風景が変化しつつある中、ハマの番長はさらにその先に待つ〝未来予想図〟を描いている。
壇上で記念のメダルを手にした三浦監督は「大変名誉ある賞をいただき光栄。リーグ戦は3位という悔しい結果に終わったが、そこから気持ちを切り替えてチーム一丸になれた」とド緊張の面持ちでスピーチし「関わってくれた全ての方に感謝したい」と語った。
その年のプロ野球界の発展に大きく貢献した人物に与えられる同賞は、工藤公康(ソフトバンク=15、18~20年)、高津臣吾(ヤクルト=21年)、そして三浦監督と直近10年で6度、投手出身監督が受賞。かつては野手出身監督ばかりが名を連ねていただけに隔世の感もある。今オフには藤川監督(阪神)、西口監督(西武)、岸田監督(オリックス)らが新指揮官に就任し、NPB球団の半数を投手出身者が占めるようになった。
だが、当の三浦監督は「投手出身でも、外野手出身であろうと内野手出身であろうと、僕は固定観念を持っていない」と言い「ゆくゆくはプロ野球出身者ではない人が、監督を務める時代が来るかもしれない。今の常識が数年後には、常識でなくなっている時代が来るかもしれない」と球界の未来を予想する。
NPBでは各球団の生え抜きスター選手が指揮官に就くことが一般的。古くから「名選手名監督にあらず」の格言こそ伝わるが、集客やファンの心をつかむためには、ネームバリューもある元スター選手に託さざるを得ない状況が続く。
一方でMLBや欧州サッカーなどでは、選手として十分な実績がなくても指揮官としての専門教育や実務経験を1A、2Aなどの下部組織で積み、実績を残した人材がトップカテゴリーに抜てきされるケースも増えてきている。
11年オフの球団買収以来、常に先進的な取り組みにチャレンジしてきたDeNAだけに、三浦監督の予言が的中する日もそう遠くないかもしれない。