「NPB アワーズ2024」が26日に都内で開かれ、巨人・菅野智之投手(35)が4年ぶり3度目となるセ・リーグMVPに輝いた。勲章を手に海を渡る右腕は晴れ舞台で「久保コーチとの出会いが大きかった」と久保康生巡回投手コーチ(66)に感謝したが、実は自身の復活劇が〝恩師〟をも救っていた。
2020年以来の栄冠に輝き「このたびはMVPに選んでいただきありがとうございます。今回3回目ですけど、一番うれしいです」と表彰式で喜びを爆発させた。
昨季の4勝(8敗)から15勝(3敗)と復活し、投手2冠で4年ぶりとなるチームのリーグ優勝に貢献。会見では「去年の今ごろは菅野がMVPを取るとは誰も思ってなかったと思いますが、自分自身、絶対やれるんだと。まだまだやれるんだということを信じて、昨年のオフからトレーニングだったり、自分自身を見つめ直す時間に費やしてきた」と力を込めた。
復活の要因を聞かれ、「久保コーチとの出会いが、僕の中で大きな転機になりました。去年の5月、6月くらいから新しいフォームをつくり上げるということでやらせていただきましたけど、おそらく久保コーチに出会ってなかったら、この場にはいられてないんだろうなと思います」と〝名伯楽〟に感謝した。
さらに、その復活劇は久保コーチの契約延長をも後押ししていたことが判明した。球団関係者によれば、当初は今オフで2年契約を満了し、年齢も考慮して「勇退」となる可能性があったという。
しかし、完全復活を果たした菅野が事あるたびに久保コーチへの感謝を口にしたことで、球団側は手腕を再評価。来季も契約を結ぶことにつながった。菅野自身は海外FA権を行使し、メジャー移籍することが確実視される。その大きな穴を埋めるためにも、若手育成に携わることになる久保コーチの〝残留〟は大きなプラスとなる。
「やっぱり野球が大好き。大好きな野球で一番になりたいと思って小1から野球を始めて、その原点は変わっていない。またひとつ上のステージへ。常にその気持ちは持ち続けて戦ってきた」(菅野)
自身の好投で〝恩返し〟も果たした背番号18。来季は海の向こうでMVPを目指す。