世界一球団がストーブリーグでも順調だ。ドジャースがジャイアンツからFAとなっていたブレーク・スネル投手(31)と5年1億8200万ドル(約277億円)で契約合意したと、米スポーツ専門局「ESPN」のジェフ・パッサン記者が伝えた。
スネルは2018年と23年に日本の沢村賞に相当するサイ・ヤング(CY)賞を2度獲得。今季から2年契約でジャイアンツに加入したが、オプトアウト(契約破棄)の権利を行使してFAとなっていた。8月にはレッズ戦でノーヒットノーランも達成。今季のドジャースは投手陣に故障が相次ぎ、優勝しながらも苦しいやりくりが続いていただけに、左腕の移籍は来季に向けて大きな補強となりそうだ。
そんな実力者だけに、動いていたのはドジャースだけではない。同じロサンゼルスに本拠を置くエンゼルスも同様に獲得を目指したが、米老舗スポーツ月刊誌「スポーツイラストレイテッド」は「エンゼルスが約2億ドルの契約でトップフリーエージェント候補をドジャースに奪われる」とバッサリ。「昨オフもエンゼルスはスネルと契約するチャンスがあったが、彼はジャイアンツと2年6200万ドルの契約を結んだ。ヘイローズ(エンゼルス)は昨シーズンの総額に匹敵するか、それを上回ることは容易だっただろう。ヘイローズのフロントオフィスは手をこまねき、トップレベルのフリーエージェントがまた一人去って行くのを眺めていた」と斬り捨てた。
今季のエンゼルスは大谷翔平投手(30)がドジャースに移籍し、99敗でア・リーグ西地区の最下位に沈んだ。アストロズからFAとなった菊池雄星投手(33)の獲得にこぎ着けたが、大谷の引き留めに失敗し、CY賞のスネルも逃し、フロントへの風当たりは強まっている。