日本共産党(田村智子委員長)は27日、文科省に対して学費値上げを止めるための緊急予算措置を求める申し入れを行った。
先の衆院選で与野党は高等教育について「無償化」「負担軽減」などを公約に掲げた。石破茂首相も自民党総裁選で「国立大学・高等教育の無償化」を公約にしていた。
ところが9月に東京大学が学生などの反対を押し切って学費値上げを発表。国立大学では2019年以降、7大学が学費を値上げしている。
私立大でもこの間、早稲田大学、慶応大学などで値上げが相次ぎ、物価高騰のもとで大幅値上げや学費スライド制の適用など、値上げが加速しているという。
同党は28日に招集される臨時国会を前に直面する来年度の学費を回避するため、緊急の予算措置を行うことに「衆院選で『無償化』『負担軽減』を公約した政党の責任だとして緊急手だてに1000億円程度で国公私立大学、専門学校の来年度の値上げを回避できる」とした。
申し入れを行った同党の吉良よし子参院議員は「今回、緊急助成ということで提案を取りまとめました。街頭に出て行っても『学費は高すぎる』という声が本当に多いですね。単純に授業料が高いということではなくて、大学進学すること自体にもお金がかかりすぎるんだと。授業料はもちろんのこと、入試、入学にかかる費用、入試を受けるための宿泊費用など本当にお金がかかる。『学費を下げることで社会問題の解決にもつながるから授業を下げてほしい』という声は聴いています」と実情を明かした。
政治には「学費の値上げを止めようと動きが求められている」と主張する。
「(文科省の)高等教育局長に申し入れをした際に、局長からは『1000億円を大学側にばらまくわけにはいかない』という話があった。今回の提案は単純にバラまくのではなくて『値上げをせずに頑張っている』、そういう大学に対して助成をしようという話で、値上げをしない大学を応援するため緊急に助成しようという中身です」と吉良氏は語った。