斎藤元彦知事が再選した兵庫県知事選で、PR会社の女性社長が「広報全般を任されていた」とアピールして、公選法違反の疑いで炎上している騒動で進展があった。斎藤氏の代理人弁護士が27日会見し、疑惑を否定。今後の対応次第では女性社長に法的措置を示唆したのだ。女性社長はどうするのか?
斎藤氏の代理人を務める奥見司弁護士は「(女性社長に)全体的に広報全体を任せた、(SNS戦略を)監修したというのは事実でない」と言い切った。
女性社長は知事選が終わった後にnoteに「広報全般を任せていただいた立場として、まとめを残しておきたい」「東京の大手代理店ではなく、兵庫県にある会社が手掛けたということもアピールしておきたい」などと投稿し、選挙運動の対価として報酬を支払うことを禁じる公選法(買収)に違反している疑いが持たれている。
斎藤氏は「ポスター制作などの費用として、70万円を支払った」と説明し、この日、代理人が初めて詳しい事情について会見を開くことになった。
奥見氏は、女性社長はあくまでボランティアスタッフの一人だったと強調。noteの投稿については「盛っていると認識している。場合によっては名誉毀損の問題があるかもしれない」などと女性社長は事実誤認や虚偽の内容を投稿していると踏み込んだ。斎藤氏も同日、県庁での定例会見で女性社長のnoteへの投稿は事前に聞いておらず、「若干のとまどいはある」と吐露していた。
女性社長は高校時代の仏留学や慶大卒、仏銀行就職からの起業で華やかな人生を歩み、「お嬢様」と自認。インスタで高級ブランドのバッグなどを自慢するなど〝キラキラ女子〟ぶりをアピールしていた。
炎上してからはマスコミの取材には応じていない。斎藤氏側も疑いをかけられている状況で女性社長側と連絡を取れば、あらぬ疑いをかけられるとあって、「相手方に働きかけるべきでも質問すべきでもない」(奥見氏)と接触していないという。
消息不明とも伝わったが、NHK党の立花孝志氏が女性社長の知人を通じて、連絡を取ろうとしたところ「精神的に参っている。どうしたらいいのか」との近況が判明し、騒動にとにかく当惑しているという。
永田町関係者は「斎藤知事からすれば、女性社長がまた何を言い出すかが分からない状況で、内心穏やかではないはず」と指摘する。立花氏は「しばらく出てこないのではないか」と女性社長も場合によっては嫌疑の対象となるだけにこのまま表に出ることはないと推測する。
29日に「ひょうご仕事と生活のバランス企業表彰」が兵庫県内で行われ、女性社長の会社が表彰されるために姿を見せる予定だったが、26日までに欠席が判明。県側も表彰者で予定していた斎藤氏ではなく、副知事が対応することになっている。
「女性社長が潔白だというのなら堂々と表彰式に出てきて、報道陣の前で説明すればいいところですが、うかつにしゃべれば、ボロが出て、取り返しのつかない事態になる。いずれ弁護士が出てきて、釈明することになりそうですが、本人が説明するまでこの炎上は収まりませんよ」(前出の永田町関係者)
順風満帆なキラキラ人生から一転、〝疑惑の人〟となった女性社長はこの事態にどう挑むのか――。