ベトナム人による〝万引〟が増加の一途だ。2023年度版の法務省の犯罪白書によると、2022年の来日外国人による窃盗の検挙件数を国籍別に見ると、1位がベトナムの2620件(検挙人員770人)、2位が中国の1068件(同468人)、3位がブラジルの233件(同123人)だった。たまりかねた日本の当局はベトナム人グループの盗品集約拠点にメスを入れた。
日本のスーパーマーケットやドラッグストアに英語ではなく、わざわざベトナム語で「万引は犯罪です」と掲示したことが話題になったこともあった。
そんな中、警視庁と埼玉、千葉、神奈川、岐阜各県警の合同捜査本部は27日、組織犯罪処罰法違反や窃盗の疑いで、ベトナム人グループによる盗品の集約場所とみられる埼玉県坂戸市や千葉県八千代市などの拠点4か所を家宅捜索した。押収品を調べ、グループの全容解明を進める。
元警察関係者は「かねてベトナム人の〝万引〟が問題になっていました。これまでは個人や交友関係が小銭稼ぎでドラッグストアなどで窃盗をしていましたが、最近は日本の闇バイトのように組織化されてきました」と語る。
日本の化粧品や薬、衣料品などはベトナム人に人気で、母国で高く転売できるからだ。
「ベトナムの指示役からSNSや通信アプリで『高額報酬』『運転手募集』などと〝闇バイト〟の実行役を募ります。実行役が化粧品や薬などを万引し、指定された拠点に郵送。ネット口座や暗号資産で報酬を受け取ります。拠点から大量にベトナムに密輸し、換金するんです」(同)
ベトナムの現地報道でも「日本の窃盗犯の5人に1人はベトナム人。恥ずかしい」などと報じられている。
ベトナム事情通は「ベトナムには『盗みは手になじみ、昼間の睡眠は目になじみ』ということわざがあるほど、昔から窃盗が国民的問題になっています。性善説に基づいているかのような日本のスーパーやドラッグストアの盗難対策、さらに無人レジは、ベトナム人にとってはちょろいようです」と指摘する。
このような日本の状況について、あるベトナムメディアは「日本では、スーパーマーケットや商店にはセキュリティーシステムが設置されていない。その貴重な文化は日本人によって維持されているが、残念ながら一部のベトナム人によって悪用されている。ベトナム人が軽微な窃盗の習慣を依然として持っている場合、日本のような文明国やその他の進歩的な国から学び、溶け込むことはさらに困難になるだろう」と伝えているほどだ。
だからこそ、ベトナムの小売店の盗難対策はすさまじい。中には盗難を防ぐ科学的な商品配置、防犯カメラ、球面ミラー、マグネットゲートシステム、さらに警備員を置いた上に、出口で従業員がレシートと品物が一致するかチェックする店もあるという。