国民民主党(玉木雄一郎代表)は28日、東京・新橋駅SL広場前で開いた国会招集日の恒例となった街頭演説会に数百人を超す聴衆を集めた。
演説会場は肌寒いなかにもかかわらず聴衆たちの熱気に包まれ、玉木氏が登場すると大きな拍手で迎えた。
プロレスや格闘技の試合でいえば〝セミファイナル〟の弁士としてマイクを握った榛葉賀津也幹事長は、前回の街頭演説会(11月11日)で玉木氏が不倫報道の謝罪に終始したことに触れ「不完全燃焼だったからね。今日はたくさん話してくれると思いますよ」とエールを送った。
これを受けて演説台に立った玉木氏は「みなさんこんばんわ! 国民民主党の玉木雄一郎です。そしておわびは、私のプライベートの問題で本当にご迷惑をおかけしました。全国で期待をしていただいた多くの皆さまに心からおわびを申し上げます。本当に申し上げませんでした」と謝罪すると、榛葉氏をはじめとした同僚議員たちも深々と頭を下げた。
臨時国会の初日、同党は政府による「年収103万円の壁」の見直しを後押しのため、所得税がかかる年収ラインを178万円に引き上げる法案を衆議院に提出してきた。
玉木氏が「皆さん、よく考えてみてください。1つの国政選挙が終わったあとに1野党が言った政策が、朝晩、昼の情報番組も含めて毎日、毎日、103万円、基礎控除がどうだ、税の話や社会保険料だ、これだけ多くの国民の皆さまの話題になったのは初めてのことじゃないですか。私はこれ、いいことだと思っている」力強く訴えると、聴衆たちは「そうだ!」と大きな声援を送った。
しかし、同党の「103万円の壁」見直し法案をめぐっては「財源は大丈夫なのか」などと、全国知事会や自治体、財務省や総務相から反対の意見が出ている。
玉木氏は「賛否があってもいいんです。それを国民の皆さんを巻き込んで一緒に議論をしていこう、そんな新しい政治が始まったんですよ」と主張。聴衆は再び大きな拍手とともに「そうだ、そうだ!」と支持する声が上がった。
最後に玉木氏は「何が解決策なのか一緒に考えてください。私たちはこれが本当の民主主義だと思っています。一緒に作りたい未来なんです」と声を張り上げた。
終了後、聴衆の女性から「玉木さん、178万円まで引き上げてね!」と期待の声をかけられた玉木氏は「ありがとうございます」と笑顔で応えて会場を後に。〝不倫報道〟にダメージなしの人気だった。