国民民主党の玉木雄一郎代表は29日、石破茂首相が衆参本会議で行った所信表明演説で〝年収103万円の壁〟引き上げを表明したことに言及した。
石破首相は所信表明演説のなかで「2025年度税制改正のなかで議論し引き上げる」と表明し、税収減が見込まれるなどの課題にも、臨時国会のなかで結論を出していく決意を示した。
衆院本会議の終了後、玉木氏は「わが党が主張してきたいわゆる〝103万円の壁〟については『令和7年度の税制改正のなかで議論し引き上げていきます』と明言されたことは、第一歩が記されたということで評価したいと思います。ただ、どこまで引き上げるかはこれからということで、まさに第一歩に過ぎないと思っています」と述べた。
国民民主は自公との2025年度税制改正に関した協議で、ガソリン税の暫定税率の廃止などを求めていた。
「ガソリン減税については『自動車関係諸税の見直しに向けて検討して結論を得る』ということを明言しています。ここもこれから始まる税制改正の協議のなかで、しっかり果実を勝ち取っていきたい」(玉木氏)
一方で、サイバー安全保障については物足りなさを感じたようだ。玉木氏は「サイバー攻撃は受けたら終わりだ」というスタンスで、サイバー攻撃者の動向を探り、対処を行う「アクティブ・サイバー・ディフェンス(ACD)」を主張してきたが…。
「私たちが主張してきたアクティブ・サイバー・ディフェンス、能動的サイバー防御の法案を年内に作るべきだということには『できるだけ早くやる』と非常にあいまいにですね、期限を切らない内容になっていました」
このほか、玉木氏は11月28日に石破首相とエネルギー政策などをめぐり首相官邸で会談した際、エネルギーの安定供給のために原発を最大限に活用、建て替えに加えて新増設も行うよう提言していたが、所信表明でこれらの文言は盛り込まれなかった。
「ある意味での政権の弱さということを表しているのではなないかなと思います。私たちも(石破政権に)協力はしますけども総理自身が自民党や政府自身がですね、『困難に直面しても国のためにやるべき政策はやり抜くんだ』と、本人にその思いがなければ協力しようがありません。その意味では、ある意味で物足りない内容でなかったかなと思います」とした。