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中谷潤人 後楽園ホール来場の袴田巌さんと初対面「力をもらいました」

東スポWEB 2024年11月29日 21時44分

1966年に静岡県で一家4人が殺害された事件で死刑判決を受け、再審で10月に無罪が確定した元プロボクサーの袴田巌(88)さんが29日、東京・後楽園ホールの興行に来場した。支援活動に参加してきたボクシングWBC世界バンタム級王者の中谷潤人(26=M・T)も同席し、袴田さんの姉・ひで子さんとともにリング上であいさつした。

袴田さんが後楽園ホールを訪れるのは、2015年以来9年ぶり。中谷とともにリングに上がる予定だったが、長期間の拘禁生活による後遺症の影響で直前に取りやめ、リングサイドで観戦した。中谷はリング上で「微力ではあるのですけど、袴田さんの無罪への思いを伝えさせていただきました。後楽園ホールでご一緒させていただけることをうれしく思います。これからも健康に過ごしていただきたいと思います」と袴田さんへメッセージを送った。

ひで子さんもリング上で「巌は機嫌が悪くなりまして。楽しみにしておったんですよ。急に帰るなんて言い出して」と袴田さんの状況を説明。「58年戦いまして、やっと勝ちましたの。死刑囚じゃなくなりました」とあいさつした。そして「本当にみなさまの応援、ご支援のおかげで今の結果があると思います。ありがとうございました」と感謝の言葉を口にした。

その後の会見で中谷は「今日お会いできて、長い間戦ってこられているので、僕自身も力をもらいました」と袴田さんとの初対面に感慨深げ。「後楽園ホールまで来ていただいて、一緒にいさせてもらえることがよかった」といい、本人に直接「おめでとうございます」と声をかけたことも明かした。

そして、ひで子さんは「死刑囚じゃなくなっても後遺症は残っております。だけど、そのままの巌を受け入れて生きております」と袴田さんとの生活の現状を説明。「ボクシングで鍛えていたから頑張れたと思う。巌はボクシングしか知らない人間なので、ボクシングを愛していることは間違いない。ボクシングは青春そのものでしょう」と袴田さんの思いを代弁した。

また、27日に静岡地検の検事正から謝罪されたことについては「許すも許さんもない。巌は無罪になって当たり前と思って戦っておりましたので、問題にしておりません」と語っていた。

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