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【日本ハム】新庄監督「言わんとこかな」から一転 来季開幕先発サプライズ発表の裏に〝巧妙〟な戦略

東スポWEB 2024年12月1日 5時4分

日本ハム・新庄剛志監督(52)が30日、本拠地エスコンフィールドで行われたファン感謝祭「F FES」で、来季開幕戦と本拠地開幕戦の先発投手、起用選手などをサプライズで発表。周囲を驚かせている。

この日、イベント終了間際のあいさつで新庄監督は突然、来年の開幕戦(3月28日、対西武=ベルーナ)の先発に来季プロ3年目を迎える金村尚真投手(24)をサプライズ指名。同戦の「4番打者」に野村佑希内野手(24)を抜てきするとともに、本拠地開幕戦(4月1日、対ソフトバンク)の先発投手として今季14勝を挙げて最多勝に輝いた伊藤大海投手(27)を送り出すことを明かした。

このサプライズを事前に知らされていなかった当該選手たちは、指揮官から名前を呼ばれるたびに驚愕するばかり。開幕投手に指名された金村に至ってはイベント終了後、「大海さん(伊藤)は去年(イベントの)最初に(監督から)ちょっと言われてたらしいんですけど、僕の場合は本当に何も伝えられてなくて」と呆然。「心の準備もしてなかったので。本当にビックリした」と最後まで驚きを隠し切れない様子だった。

新庄監督は就任以来、シーズン終了直後に翌年の来季開幕投手をファンに公表するのが恒例。だが、この新庄流の早い段階での開幕投手公表を他球団が採用し始めたこともあり、指揮官は前日29日に方針転換を示唆。「他球団にまねされたでしょ。嫌なのよ。だからもう今年は最後の最後まで言わんとこかな」と開幕ギリギリまで公表しない考えを密かにうち明けていた。

そんな指揮官がなぜ、再びこのタイミングでの事前公表に踏み切ったのか。背景にはファンへのサプライズや指名選手に奮起を促す意味合いもあるが、勝利に向けてのしたたかな策略も見え隠れする。特に先発投手の抜てきに関してはその思いが強い。

来季の開幕投手に指名された金村は今季、対西武戦4試合で1勝1敗ながら、防御率は0・95。他球団との対戦に比べ、西武戦には好成績が残る。本拠地開幕戦を任される伊藤も、CSファイナルでこそ結果を残せなかったものの、公式戦のソフトバンク戦成績は6試合で4勝1敗。9月18日は完封勝利を収めるなど鷹狩りを得意としている。こうしたデータを見れば抜てきの要因は「よりチームが勝つ確率を高めた戦略」とも読み取れるだろう。

新庄監督は29日、開幕戦投手に関し「本当なら伊藤君で行きたい。(昨季のCS)ファイナルで(勝利する)約束を達成できなかったので。でも、いい投手が(開幕戦ではなく)4戦目ぐらいになったら(シーズンの勝ち星が)14勝で終わるところが17勝に増えるかもしれない。(マッチアップする)相手投手も悪くなりそうでしょうし」とも話していた。

各投手の成績向上に加え、今季以上にチームの白星を積み上げる戦略を実行しようとする新庄監督。サプライズ抜てきは来季、本気でリーグ優勝と日本一を狙う指揮官の胸の内が垣間見えている。

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