イングランド・プレミアリーグのブライトンに所属する日本代表MF三笘薫(27)が、再び好調モードに突入している。1―1の引き分けだった11月29日のホーム・サウサンプトン戦で2戦連続ゴールを決めた。さらなる爆発を予感させる中、元日本代表FW武田修宏氏(57=本紙評論家)が現状を緊急検証。類いまれな才能を指摘するともに、今後のキャリアにも言及した。
三笘が最も活躍した日本人プレミアリーガーになろうとしている。サウサンプトン戦での得点でリーグ通算13点目となり、レスターでプレーした岡崎慎司氏の通算14ゴールにあと1点と迫った。単独トップに躍り出るのは時間の問題となった。
3年目となった世界最高峰リーグで躍動する三笘について、武田氏は「前線の選手ってどちらかというと、ボールを持ったら渡さずに、自分勝手にゴールを目指す選手が多いけど、三笘はしっかり周りを見て、バランスを考えてプレーしているし、チームの戦術をしっかり理解している。ただ、ほかの選手みたいに強引にシュートへいくことは少ない印象。長所と短所は紙一重だけど、三笘みたいなバランスの取れたタイプは、なかなかいない」と指摘した。
世界トップレベルの選手でも、なかなか持ち合わせることのない、貴重な能力を生かすべきというわけ。それは、岡崎氏がレスターでプレーしていたときに、こんな話を聞いたからだ。
「岡崎は『プレミアの選手は、強引でパスもしないで、言うことも聞かないけど、監督が使うのはそういう選手』だと。その中で、どこで勝負するかといったら、岡崎は『(ほかのFWは)守備をあまりしないので、守備で勝負する』と話をしていた。三笘も、それと同じだよね」
サッカーの世界では三笘の27歳は若くはない。ビッグクラブへステップアップするという意味では、残された時間は決して多くはない。どのようなキャリアを目指していくべきなのか。武田氏は「移籍の報道とか噂はあるけど、チームで結果を出すことによってオファーは来るもの。(移籍して)監督が代われば、使われないこともある。海外の監督はそういうところははっきりしている。本人が楽しくやれているのなら、今のままでもいいと思うけどね」との見解を示した。
ブライトンは安い移籍金で選手を獲得してビッグクラブに高く売るビジネスモデルを確立しているクラブだが、三笘はどのような道をたどるのかは、大きな関心事だ。武田氏は「まずは岡崎の得点を抜いてほしいね」と期待。また、森保一監督率いる日本代表については「(リバプールの)遠藤航と三笘は別格だと思っている。世界最高峰のリーグでやっているわけだから見ての通り。外せない選手であるのは間違いない」と強調した。
三笘の今後に世界中で熱い視線が注がれている。