大垣競輪の大阪・関西万博協賛GⅢ「開設72周年記念 水都大垣杯」は2日、3日目を開催した。準決10Rでは瓜生崇智(29=熊本)の腹をくくった選択が実を結んだ。
勝負の一戦は中野慎詞のハコ勝負を選択。恩田淳平とのバトルは、外競りから番手を強奪した上で、中野のスピードに食い下がってみせた。「目標不在だったけど、単騎でやって負けるくらいなら中野君の後ろで勝負でした。緊張したけど、気合も入りましたね。ただ、番手を取り切ってからも余裕はなかったです」。競り合えば前にちぎれる可能性もある…そんなことは承知の上で最良の結果を残した。
「いつまでも九州の3、4番手回りだとチャンスはないので」と燃えるものがあったのも勝負に向かわせた一因だ。昨年1月の静岡記念準決で守沢太志と競り合ったことも回想しながら「静岡のことも踏まえつつ、経験が少しずつかみ合ってきたのかな」。自身でもステップアップを感じる一走となった。
最終日(3日)の決勝は松浦悠士に同県の中本匠栄が付く構成だったが「中本さん、松浦さんといろいろ話して、僕は中野君の後ろへ」と決めた。準決の流れがあるのは当然として、その上で〝勝負権〟を求めての選択なのかもしれない。
「中野君に優勝してもらって、僕は2着なら優勝みたいなものなので」
そう笑顔で話す仕事人は決勝でまた一歩、進化しそうだ。