米グループ「ヴィレッジ・ピープル」のオリジナルメンバーでリードボーカルを務めたヴィクター・ウィリスが自らのヒット曲「Y.M.C.A.」について「ゲイの賛歌」ではないと主張した。米NBCニュースが3日、報じた。
ウィリスは2日、フェイスブックで「私はYMCAの作詞家です。100%歌詞を書きました」とした上で、このディスコ曲が「ゲイの賛歌」として意図されたものではないと否定し、歌詞を書いた時、「YMCAがゲイのたまり場だなんて全く知らなかった」と記した。
ウィリスは、当時の世界的な青少年組織、特にサンフランシスコの都市部にあるYMCA支部についての知識に基づいて「YMCA」を書いたという。
「歌詞の『You can hang out with all the boys(男の子たちとつるむ)』というのは、単に1970年代の黒人スラングで、スポーツやギャンブルなどで一緒につるむ黒人男性を指す。ゲイっぽいところはまったくない」と述べた。
ウィリスによると「YMCA」がゲイの賛歌であるという「誤った思い込み」は、いくつかの要因による可能性があるという。作曲パートナーとヴィレッジ・ピープルのメンバーの何人かはゲイだったこと、バンドの最初のアルバムは「完全にゲイの生活について」だったこと、そして「YMCAはどうやらゲイのたまり場として使われていたようだ」と分析した。
ウィリスは、この歌がゲイの賛歌とみなされることは気にしないが、誤った臆測は「この歌にダメージを与える」として、1月から「YMCA」をゲイの賛歌として言及する報道機関を訴えるつもりだという。
また、ウィリスは、トランプ氏の選挙集会で「YMCA」が使用されたことについて1000件以上の苦情を受けたという。トランプ氏によるこの曲の使用が「迷惑」になったため、使用をやめるよう求めた。しかし、トランプ氏は音楽演奏権を執行するBMIからこの曲の政治利用許可を得ており、この曲を使い続ける権利は十分にあるとし、実際、トランプ氏はこの権利を守っていた。
他のアーティストがトランプ氏の選挙集会での音楽使用に反対し始めた。そんな中、ウィリスは「YMCA」の使用を阻止する「気持ちがなかった」ため、マネジャーでもある妻に、BMIにトランプ氏の曲使用許可を取り消さないよう伝えるよう頼んだという。その結果、ウィリスは「経済的利益は大きかった」と語った。