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高木菜那氏 引退から約1年半…北京五輪の〝苦い経験〟で得たもの「つらかった部分もあるけど…」

東スポWEB 2024年12月4日 11時9分

第2の人生も全力投球だ。スピードスケート女子で2018年平昌五輪2冠の高木菜那氏(32)は現役時代に世界の舞台で輝かしい結果を残した一方で、さまざまな挫折も経験。光と影を知る一流スケーターは、メディア出演や講演活動などを通じて積極的に自身の思いを伝えている。その高木氏が単独インタビューに応じ、セカンドキャリアとの向き合い方や現在の活動に込めた願い、今後の目標などについて熱弁を振るった。

――先月末には「遊勤コーデ」ランウェイ発表会でモデルデビューを果たすなど、引退後も活躍している

高木氏(以下高木)ランウェイを歩いたり、服をお見せする仕事をする機会が来るとは思っていなかったので、オファーが来た時はうれしかった。やっぱり難しかったし、プロの方みたいにはできないけど、雰囲気を良くしたり、自分ができる最大限のことを意識してやった。今は本当にありがたいことに、いろんなお仕事をいただけているので、まずは一生懸命頑張ることに目を向けています。

――セカンドキャリアはどう考えている

高木 競技人生の実績が仕事で実を結んでいる部分もあると思うけど、スケートと同じくらいは難しいかもしれないが、別の分野でも心が躍るようなことも探していきたい。今のお仕事もすごい楽しいけど、自分の価値を自分で感じられるようなことができたらと思っている。自分なりにできることは精いっぱい全力でやりたいけど、もっと自分のできることにも目を向けたい。まだまだきっと隠れているものがあると思うので、自分と向き合いながら、新しいことにもどんどんチャレンジしていきたいです。

――講演活動も精力的に取り組んでいる。伝えたいことは

高木 どんな人も自分の人生の中の主人公になれると思うし、人と比べなくても人生を輝かしいものにしていけるチャンスは誰にでもある。金メダルとかテレビに出ることだけが輝いている部分ではなくて、いろんなところで輝いてる人は本当にたくさんいる。比較することは自分自身を苦しめてしまうので、自分の心、できること、得意なことに目を向けて、自信を持って歩んでいってほしいと思っています。

――22年北京五輪団体追い抜き(パシュート)決勝で転倒に見舞われるなど、多くの悔しさも経験したからこその言葉か

高木 自分でもつらかった部分もあるけど、つらさと向き合ってきたから今の自分がある。いろんなことを経験できたから、そういう人たちの気持ちに寄り添える部分もあると北京(五輪)を通してすごい感じた。そこが今の自分の魅力でもあるのかなと思うので、そういったところも伝えていけたらなと思っています。

――26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪は解説者としての仕事も多くなるのでは

高木 本当にスピードスケートを伝えたい思いもあるし、純粋に妹(美帆=TOKIOインカラミ)を応援できる五輪だと思っている。妹がやってきたことを姉として純粋に応援して、最高の滑りをしてほしいという思いで自分もミラノ五輪に挑んでいきたい。今までは選手としてスピードスケートを伝えていたけど、引退したからこそ違う伝え方ができると思う。五輪に向かっている選手の思いも知った上で五輪を見てくださった方が、より五輪がすごいものだと感じられると思うので、自分にしかできないような伝え方ができたらいいなと思っています。

――最後に理想の女性像を教えてほしい

高木 かっこいい女性でありたいのが私の中のテーマでもあるので、自分自身がかっこいいと思えるような女性になりたいし、これからも日々成長していきたい。理想像はあまりないかもしれないけど、自分がやって後悔しなかったりとか、自分自身がかっこ悪いと思わない行動ができる自分でありたいです。(インタビュー・中西崇太)

☆たかぎ・なな 1992年7月2日生まれ。北海道出身。2014年ソチ五輪に出場し、18年平昌五輪では団体追い抜き(パシュート)とマススタートで金メダルを獲得。夏季を含めた五輪の同一大会で日本女子初の2冠に輝き、紫綬褒章を受章した。22年北京五輪は団体追い抜きで銀メダルを手にした。同年4月に現役引退を表明後は、幅広い分野で活躍。五輪2大会連続金メダルの高木美帆は妹。155センチ。

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