写真の場面であなたならどうする? 何を切る? 下にある【答え】を読む前にまずは考えてみよう。
南場に入っての2着目。赤5萬を持ってきたところだ。ドラは孤立している…。
【答え=5萬】よく知られたことわざには「あれこれ欲しいと欲張ると、失敗してどれも得られない」という意味合いのものが多いが、麻雀においてはいくつもある役のチャンスを逃さない選択ができれば、それがベストだ。猿川真寿(B)の手牌には、引いてきたばかりの赤5萬、孤立したドラ2索、三色同順に必要だがポツンと浮いた8索があった。猿川はここで全ての可能性を諦めない選択をした。
7・8・9萬、7・8・9筒と「789」の三色同順要素が2つ揃っているとはいえ、索子が8索1枚という状況は、役が完成するにはまだ遠い。「一番ノーマルな選択は8索切り」と思う中、最高打点を諦めなかったのはトップ目・本田朋広(雷)との点差だ。「1万4800点差あり、ここは満貫ツモくらいで点差を近づけないと厳しい。しかもまだ6巡目でこの手牌なら、確実に満貫以上は狙いたい」と、打点を重視した。
重なった5萬を残せば、さらに萬子が伸びる可能性もあった。「4萬や6萬を引いた場合、一盃口の満貫コースもあるが、萬子待ちでリーチをした際に場況的に出アガリ率も上がる。リーチ・平和・ドラのみの3900点でこの手牌を終えるのは嫌」。MAXで見ていたのは跳満クラス。「9索を引いたらペン7索待ちのヤミテンorリーチ・三色同順を狙い、7索を引いてからのリーチ・9索ツモで3000・6000、唯一の跳満コースでトップ目をまくることもできるので、8索切りは打点の魅力で今回は残しました」
次巡に引いてきたのは8索絡みではなく、ドラ2索にくっつく3索で、1・4索待ちリーチ。その後にラス目の仲林圭(P)、トップ目の本田から追っかけリーチを食らうも、1索をツモって満貫アガリ。欲張ったことが功を奏し、トップ目浮上に成功した。