次にモンスターを日本で見られるのは１年後！？ ボクシング・スーパーバンタム級４団体統一王者の井上尚弥（３１＝大橋）が４日、横浜市内の所属ジムでＩＢＦ・ＷＢＯ同級１位サム・グッドマン（２６＝オーストラリア）との防衛戦（２４日、東京・有明アリーナ）へ向けた公開練習を行った。井上は来年からの本格的な海外進出を想定し、「今回の（クリスマス）イブ決戦はしっかりと会場で目に焼き付けてほしい」と、しばらく日本で生観戦できなくなるかもしれないファンのためにも奮闘することを誓った。
１１月上旬にサウジアラビア最大のエンターテインメントイベント「リヤド・シーズン」と約３０億円の巨額スポンサー契約を締結し、今回の試合ではベルト部分に「リヤド・シーズン」のロゴが入ったトランクスを着用する井上。「２０２５年は海外進出を考えている」といい、そこに向けて、この試合を「大事な一戦」と位置づけた。
所属ジムの大橋秀行会長によると、来年は米国、サウジ、最後に日本で試合を行う方向で、今年のスケジュールに当てはめると、春に米国、秋にサウジ、１２月に日本となることが予想される。となると、次に日本で試合をするのは約１年後。井上は「そういう意識も少なからずある」といい、今回の試合を「会場で目に焼き付けてほしい」と強調した。
だが、勝たなければすべてが台無しとなる。海外大手ブックメーカーのオッズは井上勝利が１・０５倍、グッドマン勝利が９倍と下馬評は圧倒的に優位だが、無敗対決であることに「無敗というのには意味があると思う。グッドマンは勝ちに徹するボクシングがうまいと思う」と油断はない。
その上で、「自分の試合は初めて見に来るお客さんがいると思うので、そういったお客さんにはボクシングのだいご味であるＫＯをお見せしたい。ボクシングに詳しい方には駆け引き、技術を見せていきたい。接近戦でも、グッドマンの土俵でも戦える準備はしている」と戦いをイメージした。この日はシャドーボクシングとサンドバッグ打ちを２回ずつ披露。軽快な身のこなしからから素早く力強いパンチを繰り出して好調をうかがわせた。
記憶に残るような豪快な勝利で飛躍の２０２４年を締める。