阪神は9日に行われた第3回現役ドラフトで、浜地真澄投手(26)がDeNAへ移籍すると発表。本人は球団を通じて「タイガースというチームがすごく好きでしたし、離れる寂しさはある。新たな気持ちで頑張りたい」とコメントした。
右腕が最も輝きを放ったのは2022年シーズン。勝ちパターン継投の一角に抜てきされて52試合に登板して1勝3敗、21ホールド、防御率1・14の好成績で一気に頭角を現した。だが、その後は結果に恵まれず下降線。今季の一軍登板はわずか18試合にとどまった。
それでも、出世魚・ハマチはそろそろピチピチの鮮度を取り戻す頃合いなのかもしれない。先月の秋季安芸キャンプで行われた紅白戦では2試合に登板し、計2イニングを1安打2奪三振無失点。秋の実戦だけに結果はさほど重要ではないが、最速152キロを記録した直球で打者を押し込む本来の投球を披露した。
あるコーチも「浜地、すげえ良かったよな」と思わず口にしていたが、何より本人が手応えを口にしていた。
「試合を気にせずウエートもみっちりやっていましたし、2日前にもブルペンで100球以上投げていたんですよ。なのにストレートも150キロ以上出てて。『意外と投げられるな。面白いな』と思っていました。過去に良かった時は直球だと分かっていても凡打で打ち取ったり、ファウルを奪えていたので。まだ詰められる余地はありそう」
キャンプでの2戦をそう振り返った浜地は「ここ2年間はくすぶっていましたからね」と笑みも浮かべていた。
「子供の頃から藤川監督は憧れのピッチャーでした。同じグラブを使っていましたし」とも語っていただけに、古巣との急な別れには後ろ髪を引かれる思いもあるだろう。しかし、環境の変化がプラスに作用すれば…。まだ26歳。万事塞翁が馬の野球人生はこれからも続く。