残留の決め手は――。本紙既報通り、全日本プロレスは9日、所属の諏訪魔(48)が年内をもって専務執行役員を退任し、来年1月1日付で非常勤取締役に就任すると発表。所属として残るものの、月1~2試合程度のスポット参戦になる。併せて1月1日付で女子プロレス「エボリューション(エボ女)」の社長に就任する。
諏訪魔は10月にデビュー20周年を迎えたことで「次のステップに進みたい」と、一度はエボ女の社長業に専念するため退団することを決意。だが団体側から強く慰留され、話し合いは平行線をたどったという。最終決断を下したのが、今月6日のことだ。
向かったのは〝ミスタープロレス〟こと天龍源一郎(74)のもと。「全日本を辞めた経験がある天龍さんに聞きたかったんだ。全日本に残った方がいいか、辞めてエボ女に専念した方がいいかってね」と明かす。
大相撲を廃業後、1976年に全日本に入団した天龍は、90年に退団しSWSに移籍した経緯がある。かねて気にかけてくれた天龍からは「諏訪魔は残った方がいい。全日本プロレスの名前は強いし、世間の見る目が違うから。全日本の諏訪魔が面白いことをやるのと、そうじゃない諏訪魔が面白いことをやるのは影響力が違う」という熱い言葉をもらったという。
同日夜には、全日本の重鎮・渕正信(70)とも対面。同様に「全日本に残った方がいいよ。お前が残ってなければ、今の全日本はないんだから」と残留を勧められた。
諏訪魔は「お二人の話を聞いて決意が固まったんだ。それに全日本に名前が残ることで気が引き締まるよ」。社長レスラーとして暴走男の新たな人生が幕開けする。