【取材の裏側 現場ノート】女子プロレス「スターダム」のタッグリーグ「ゴッデス・オブ・スターダム」は意外な結果に終わった。ブルーゴッデスを3位通過した羽南(20)&飯田沙耶(27)の「wing☆gori(ウィンゴリ)」が、8日の優勝決定戦(浜松)で舞華&HANAKOを撃破し初優勝を飾ったのだ。
誰も予想だにしなかった結末に会場は騒然。予選3位からの下克上を果たした姿は、プロ野球でセ・リーグ3位から日本シリーズを制し、26年ぶりの日本一に輝いた横浜DeNAのようだった。
ウィンゴリは2020年のタッグリーグでコンビを結成し、昨年9月に若手主体興行「NEW BLOOD」のタッグ王座を獲得。7月までに4度の防衛を重ねタッグ屋として力をつけてきた。
スターダムの生え抜きとしてリング上では明るく激しいプロレスで魅了しているが、コンビ結成から3年間は結果を残せず、苦難の日々を過ごしてきた2人を記者はひそかに注目していた。優勝後、記者の姿を見た飯田はうっすら涙を浮かべながら「タッグを組んでから長い分、悔しい思いをしてきた」と明かした。
現状を打破するため、2人でタッグの方向性を何度も話し合ったという。練習方法もチーム力を意識したものに変えた。そのうちに「ベルトを巻いたり徐々に上向きになっていった」という。
次なる目標は、29日の東京・両国国技館大会で極悪軍団「H.A.T.E.(ヘイト)」の渡辺桃&テクラからゴッデス王座を奪うことだ。「ヘイトが持っている限りゴッデスのベルトは死んでしまったも同然。私たちの手で生き返らせる」。今年最後の大一番で大輪の花を咲かせる姿に期待したい。
(プロレス担当・木元理珠)