フリーアナウンサーの小倉智昭さんが9日午後3時8分、膀胱がんのため亡くなった。77歳だった。1999年から2021年まで朝の情報番組「情報プレゼンター とくダネ!」(フジテレビ系)の総合司会を務め、日本を代表する〝朝の顔〟だった。
小倉智昭さんは1970年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に入社。いきなり才能を発揮した。
「入社直後の研修で競馬中継の実況に試験的に挑戦したところ、馬名を間違えず見事に完遂しました。学生時代から競馬好きで知識は豊富で、入社の志望動機は競馬中継の担当だった。自信もあったんでしょう。局アナは普通、1~2年の下積みをへて競馬実況を担当するだけに上層部はビックリ。翌週から競馬実況に抜てきされました」(テレ東関係者)
75年に放送開始されたお色気バラエティー番組「独占!男の時間」にも出演するようになったが、これでいいのかと疑問を抱いた。
「退社を決意し、それを上層部に伝えた際に口ゲンカになったのは今も語り草です」(同)
76年に退社してフリーに転身。99年に放送開始されたフジ系「とくダネ!」で総合司会を務め、毒舌で世相を斬って支持された。同じ時間帯のテレビ朝日系「羽鳥慎一 モーニングショー」などと視聴率争いを展開。2021年の放送終了まで22年間、〝朝の顔〟だった。
「とくダネ!」が終了した後、俳優の谷原章介がMCを務める「めざまし8」が開始された。
「晩年は『めざまし8』ではなく『モーニングショー』を見ていました。番組のテイストがマイルドな『めざまし8』より、過激な面のある『モーニングショー』を好んだからです」(知人)
テレビを舞台に一時代を築いた。