今年で51回目を迎えた「東京スポーツ新聞社制定2024プロレス大賞supported byにしたんクリニック」選考委員会が10日に東京・江東区の東京スポーツ新聞社で行われ、最優秀選手賞(MVP)は新日本プロレスのザック・セイバーJr.(37)が初受賞した。外国人選手の同賞受賞は2002年度のボブ・サップ以来、史上2人目の快挙。授賞式は来年1月8日、都内ホテルで5年ぶりに行われる。
選考委員会でMVP候補に挙がったのはザック、全日本プロレスの安齊勇馬、斉藤ブラザーズ(ジュン&レイ)、ノア・清宮海斗の3選手と1組。最初の投票でザックが過半数となる10票を獲得し、初受賞が決定した。
オカダ・カズチカ、ウィル・オスプレイら主力選手が相次ぎ退団した新日本の新リーダーになった。「G1クライマックス」ではケニー・オメガ以来史上2人目となる外国人覇者に。10月の両国大会で内藤哲也を撃破し悲願のIWGP世界ヘビー級王座を獲得した。ノア、DDTなど他団体でも存在感を発揮し、文字通り2024年は「ザックイヤー」となった。
外国人選手のMVP受賞は、51年の歴史を持つプロレス大賞の中でも史上2人目の快挙。「手前みそだけど、偉業と言っていいと思う。日本のプロレス界の一員として認められたという思いだ」と胸を張った。
オスプレイ、ケニー、ジェイ・ホワイトら歴代最強外国人選手も手が届かなかったMVPを〝絆〟が引き寄せた。「この賞は自分が13年、日本でやってきたことの集大成だ。外国人レスラーへの見方には『どうせ、いつかいなくなる』というのがあると思うんだけど、俺はファンやメディアと絆を深めてきて、明確に見せられたからMVPを取れたと思っている。残りの選手人生を日本にささげたいし、それこそが彼らと俺の違いなんだ」。
今回の受賞を伝えたい相手を問われると、母親の存在を挙げ「彼女は映画『ロッキー』が好きなので、エイドリアンに叫ぶように『やったぞ!』と叫びたい」と笑みを浮かべた。
「いつも理解とサポートをしてくれているけど、最初は息子がプロレスをやるのは親として不安だったと思う。16歳でデビューした時に試合を見に来てくれて、3試合目だったか4試合目だったか…あまりに心配して彼女がリングに上がりそうになっていたのを今でも覚えている。この賞を取って正真正銘、日本で一番強いレスラーだと証明できたから『もう心配ないよ』と言えることがうれしいね」
来年1月4日東京ドーム大会では海野翔太とのV3戦、それをクリアすれば翌5日大会でリコシェとのV4戦に臨む。「東京ドームのメインで2連勝は、どの外国人選手も成し遂げていない。それを達成することで、新日本プロレス全体をもう一つ上のレベルに上げられると思うし、次の世代につなげていくことができると思っている」。日本プロレス史に名を残す外国人レスラーの夢は、まだまだ終わらない。
プロレス大賞選考委員会
【選考委員長】
初山潤一(東京スポーツ新聞社編集局次長)
【特別選考委員】
小橋建太
【選考委員】
渡辺卓幸(東京スポーツ新聞社運動二部部長)
紙谷光人(東京スポーツ新聞社写真映像部部長)
中村亜希子(東京スポーツ新聞社運動二部副部長)
内田忠宏(東京スポーツ新聞社写真映像部次長)
小坂健一郎(東京スポーツ新聞社運動二部次長)
岡本佑介(東京スポーツ新聞社運動二部エキスパート)
松下樹(東京スポーツ新聞社デジタルメディア室次長)
前田聡(東京スポーツ新聞社運動二部主任)
木元理珠(東京スポーツ新聞社運動二部部員)
山口高明(東京スポーツ新聞社写真映像部部員)
藤澤浩之(デイリースポーツ)
大西洋和(東京中日スポーツ)
千葉修宏(日刊スポーツ)
湯沢直哉(週刊プロレス編集長)
井上光(週刊プロレス編集次長)
小佐野景浩(プロレスライター)
今野利明(サムライTVプロデューサー)<順不同>