日本共産党の田村智子委員長は11日に開かれた衆院予算委員会で、石破茂首相に対し医療・介護を含む賃上げなど〝暮らしの問題〟に関しての質問を行った。
田村氏は介護分野で働く人たちの処遇をめぐり「賃金が安くて人手不足を起こしており、非常事態です」と警鐘を鳴らし「介護保険料の国の負担割合を引き上げれば、介護職の賃上げは抜本的にできます。真面目に検討し、必ず実現させてくださいです」と迫った。
これを受けて石破首相は「介護現場の賃金は、ほかの産業よりも低いです。介護を必要としている人たちのために従事する人が確保されないのはいいことだとはまったく思わず、まずは実態をきちんと把握する。あれだけ厳しい仕事をする人々にふさわしい報酬や手当てがなされることは、社会としてやるべきこと。努力していきます」と述べるにとどめた。
終了後、田村氏は「暮らしが苦しいことに対して手取りや収入を増やす、その一番のもとにあるのが賃上げだと私たちは考えています。『どうやって大幅な賃上げを実現するのか』ということで、どんどん労働分配率が低いから(企業の)内部留保がたまると認める答弁を、石破総理も国会の中でやっている。それを『労働者全体の賃金にまわす政策が必要ではないか』という質問をしたつもりです」と振り返り、こう苦言を呈した。
「政府側の答弁は〝アベノミクス〟の時と変わらないのが驚きです。『デフレ・マインドの克服が必要だ』として12年間やって賃金が上がらなかったことになれば、その政策は失敗であって見直し転換が求められるハズです。内部留保はたまっても、賃金は上がらなかった。具体的な賃上げ策は何一つ示されない。これではまだ内部留保がたまりますよ」