国際サッカー連盟(FIFA)は11日の臨時理事会を開き、2030年W杯をスペイン、ポルトガル、モロッコで共催し第1回のウルグアイ大会から100周年となるのを記念し、南米のウルグアイ、アルゼンチン、パラグアイで1試合ずつ実施することを決めた。また34年大会はサウジアラビアが単独開催とすることを正式決定した。
ただ、サウジアラビア開催をめぐっては各方面で物議を醸している。英紙「サン」によると、通常の開催時期6、7月は酷暑で実施できないため冬季の開催が確実な状況という。22年カタールW杯も11月に開幕したことから「34年1月になる可能性が高い。このタイムラインは年末の11、12月にイスラム教の聖なる月であるラマダンを避けるために役立つ」とした一方で「伝統的な欧州クラブシーズンにさらなる混乱を引き起こすことになる」と指摘。開幕時期をめぐって反発が出るのは間違いなさそうだ。
また、英メディア「BBC」によると、世界最大の人権保護団体アムネスティ・インターナショナルが不満を表明したという。同団体は共同声明で「十分な人権保護が確保されることなく34年W杯をサウジアラビアに与えるというFIFAの無謀な決定は多くの命を危険にさらすことになる」と非難。開幕は約10年後になるが、早くも大きな波紋が広がっている。