◇坂本雄紀(30)群馬支部127期
社会人を経て2020年11月に26歳でデビューした。10月に30歳となったため30歳未満の年齢制限があるPGⅠヤングダービーは〝卒業〟となってしまったが、登録期間6年未満が出場資格となるルーキーシリーズにはまだ出場可能だ。
そのルーキーシリーズは年下の選手が大勢を占めるが、年齢は関係ない。「末永和也さんはSGも出てらっしゃるし、同じ群馬の大沢風葵さんとかもめちゃくちゃうまい。同期の登玉隼百も江戸川で優勝した。後輩なら石本裕武くんもすごいし、ルーキーシリーズは刺激になる」。末永(25歳)、大沢(23歳)といった実績ある〝先輩〟に敬意を払い、同期や後輩の活躍を進化の糧にする。
デビューは遅くなったものの、他のレーサーにはない経験も積んできた。「社会人生活に一切ムダなことはなかった。仕事でお世話になった植木屋さんも地元の友達が桐生に見に来てるな、と思うと気合が入りますね」という。
2024年後期にA2初昇格。2025年前期も勝率5・60でA2キープ。4月には浜名湖でデビュー初Vも飾った。「エンジンを出そうとし過ぎて調整がハマらなくなった。特に6月くらいが苦しかった」と壁にぶち当たった時期もあったが、試行錯誤を繰り返し、答えを追い求めた。「ペラの形をガラッと変えてみたり、近況も調整はいろいろ変えている。最近は出足と回り足がつくようになってきた」と〝正解〟も見えてきた。
師匠は同支部先輩の野村誠。「ペラと精神面、あとは人としての行動を教わっている。僕がスローに入りたてで待機行動違反をしてしまった時に『ズルはするな』と言われたのをよく覚えている」と明かす。
同支部先輩の存在も心強い。「関浩哉さん、椎名豊さん、富沢祐作さん、金児隆太さんには本当にお世話になっている。その4人も師匠だと思っている。勉強させてもらってるし、頑張らないと…」と感謝しきりだ。
「目標はまずA1昇格。そしてGⅠ、SGとか大きい舞台で勝つこと。そのためにも毎レース1周1Mから3周2Mまで正解の走りができるようになりたい。その積み重ねが結果につながると思う。一般戦でも何でも全部優勝したい」。妥協することなく〝正解〟を追求しながら前進する。