今オフのFA市場最大の目玉だったファン・ソト外野手(26=ヤンキースからFA)を逃したブルージェイズの地元トロントが悲嘆に暮れている。
悲劇は繰り返された。ブルージェイズはメッツ、ヤンキース、ドジャース、レッドソックスの5球団によるソト争奪戦に最後まで参戦。米大手ブックメーカーでは5球団のうちで最低オッズをつけられていた。しかし、12月初旬に一部の米メディアが「ブルージェイズが最高額の契約オファーを提示する」と報じたため一躍、本命の一つに躍り出た。
だが、ソトはメッツとMLB史上最高額となる15年7億6500万ドル(約1147億3650万円)で契約。超大物のブルージェイズ入りはならなかった。
ブルージェイズは昨オフも大谷翔平投手(30)の大争奪戦に参戦。一部メディアが「大谷がトロント行きの飛行機に乗った」と報じ、地元ファンは「大谷が来る!」と狂喜乱舞した。ところが、この情報は誤報だと判明。ブルージェイズファンの興奮は2年連続でぬか喜びに終わった。
そんな中、カナダ紙「カルガリー・ヘラルド」が「哀れなトロント。またもや鼻であしらわれた」という嘆き節を掲載。「1年前、スーパースターの大谷がジェイズのオファーを受け入れたと信じてLAからトロントに飛んでいるプライベート飛行機を追跡した。いいえ、大谷は代わりにロサンゼルス・ドジャースに車で行き、ソトの新契約まではプロスポーツ界で最も裕福な7億ドルの10年契約にサインした。どちらの拒否もトロントのメディアとファンは手をこまねき、泣き言を言った」と深いため息。「都市(トロント)のすばらしさを大谷とソトが理解できないのは疑問に思う」と続けた。
さらに、トロントを本拠とするNBAのラプターズを2019年に初優勝に導いたカワイ・レナードも引き合いに出し「レナードはラプターズにNBAタイトルをもたらし、残留に興味を持っているふりをして、その後、ロサンゼルス・クリッパーズに移籍した」とクリッパーズのエースに八つ当たりする始末だ。
「ビッグネームはそこ(トロント)でプレーしたくない。彼らはあなたを利用しているだけだ」と破れかぶれのような論調で現状を悲しみ「ブルージェイズとラプターズがトップの選手を引きつけるのは確かに難しい。それは彼らがそれぞれのリーグで唯一、カナダのフランチャイズであることも一因している」と地理的不利を嘆いた。