また維新でセクハラ、パワハラ騒動だ。日本維新の会で、東京維新の会に所属する鈴木ひろこ大田区議(52)が12日、都内で記者会見を開き、同僚議員からのパワハラや国会議員や地方議員からのセクハラを受けたと訴えた。
鈴木氏は昨年4月の大田区議選で初当選。維新の総務会長や東京維新の会代表を務めていた柳ヶ瀬裕文参院議員の地盤で、区議選には鈴木氏も含めて5人が当選していた。2020年からボランティアで維新に参加していた鈴木氏は「素晴らしい先輩もいるが、基本的に怖い体質の場所なんだと。当選してからは自分の発言が思うようにできないことに苦しんでいた。(同僚の)男性4人から全くいわれのないことで呼び出されて、高圧的で、泣きながら怒られたことがある」「4人で一斉に机に座っている私に責められた時にはこの状況は許されるのか」と度重なるパワハラを受けたという。
また昨年夏にはお祝いの席に出席した際、「東京維新の会所属の国会議員から体を触られた。一瞬とかではなく、割と長い間、特殊な触られ方をした。びっくりしたが、ホテルでのお祝いの席で、騒いではいけないと我慢した。何度も嫌な思いをさせられている」とセクハラ被害を受けたことを告白。また維新の地方議員からは「街宣車の上でおしりをしつこく触られた。声が出せない場所で、我慢した。挨拶のように私のバストをトンと触られることがたびたびあった」とも明かし、両議員の名前は「現時点で公表しません」と話した。
パワハラやセクハラ被害で心労が重なり「(区議会の)控室に入れなくなって、眠れなくなった、ごはんが食べられなくなった。主治医の先生からは適応障害と診断された。維新にいるのは難しいとなった」と当時、東京維新トップで、政治の師にも当たるという柳ヶ瀬氏にハラスメントを受けていることを相談したが、「鈴木にも欠点あるよね。他の人にもある」といなされ、取り合ってもらえなかったという。
8月に離党届を提出するも処理されないまま。先月末にようやく弁護士を交えて、柳ヶ瀬氏と話し合いの場が設けられ、8月末での離党が了承されたというが、事務局からは党員費の未納分約18万円を振り込まないと離党できない旨の通告を受けたという。
鈴木氏は未納分の明細を求めたが、回答はないままで、「現時点でホームページに(私の名前が)載っているし、削除してほしいと伝えたが、いまだになされていない。本当に18万円が足りないならお支払いするが、支払わなかったら除名処分を受けるのではないか。私にダメージを与えたいのかなと受け取ってしまいました」(鈴木氏)と離党もままならずに会見での告発に至ったという。セクハラ被害の質問を受けている際にフラッシュバックしたのか鈴木氏は号泣し、過呼吸の状態に陥ったことで、会見は途中で打ち切りとなった。
鈴木氏の会見を受けて、東京維新の会の深田貴美子幹事長は「離党扱いになっていないことは事実」としながらも鈴木氏側の代理人弁護士が代わったり、衆院選があったことを挙げ、「一貫して誠実に対応をしており、非難を受ける経緯はない」と反論した。
またパワハラしたとする区議4人からはヒアリングを行い、「鈴木区議の主張するような高圧的な態度で行なったものではなく、人格を否定するような内容の発言等もなく、同僚からの指摘として適切な範囲に留まるもの」と問題はなかったとした。国会議員によるセクハラに関しても「全くの事実無根というほかなく、こうしたことを発信されたことに驚愕をしております」とこちらも否定した。
深田氏は「内容が事実に反しあるいは名誉毀損に該当するような発信をしたことに抗議するとともに、可及的速やかに、発信内容を撤回・訂正するよう求めます」としたが、鈴木氏はセクハラ等での法的措置を取ることを検討している。