名古屋競輪ナイターFⅠ「中京スポーツ杯・CTC杯」は12日、最終日を行った。12RのS級決勝は高橋和也(38=愛知)がうれしい地元優勝を手にし、11RのA級決勝は栗山和樹が優勝した。
91期の有望選手として上位戦に顔を出し続けてきたが、これが2020年8月富山以来、久しぶりの優勝だった。加えて「S級で名古屋で優勝できたのが初めて。ものすごくうれしい」と興奮を隠せない。
決勝は「(藤井)侑吾がものすごいかかりだった。準決はいっぱいいっぱいで、決勝は気持ちで、という感じでした」と食らいつき、執念で差し切った。
この優勝に地元愛知の仲間だけでなく、ひときわ喜んでいたのが坂口晃輔だった。「和也さんの優勝は本当にうれしいですね。中部のこの世代がまた頑張っている、というのが…。真後ろにいたかったです」。大ケガを乗り越えてもう一度、を誓うだけに、久しぶりの高橋の優勝が心にしみた。
高橋は栄えある中京スポーツ杯のトロフィーを手にすると「子供が喜びます」と笑った。
「レースに行く時に『トロフィーは?』って言うんですよ、ハハハ」
一昨年3月当地記念決勝に乗った際には家族が応援に来てくれた。しかし、直線で落車…。家族を心配させたことも思い出すと、喜びがまたあふれた。仲間のため、家族のため「またグレードレースにしっかり出られるように」と、働くパパがいい汗をかいていた。