現役ドラフトでDeNAからソフトバンクに移籍した上茶谷大河投手(28)の入団会見が12日、みずほペイペイドームで行われた。背番号「64」のユニホームに袖を通した上茶谷は「この機会をチャンスと捉えてチームに貢献できるように頑張ります」と意気込んだ。
日本シリーズで対戦したチーム間での移籍。「打線もすごいし、守備もすごいし、投手陣もすごい。本当に最強だなと思って見ていました」とテレビ越しに見ていた対戦相手への印象を語った。
移籍が決まってからは多くの人に連絡を取ったが、その中には森唯斗投手(32)の名前もあった。ともにプレーしたのは森唯がDeNAに移籍してきた2024年シーズンだけだったが、上茶谷が「唯人さんと今年1年で仲良くさせてもらった」と語るように親交は深い。ホークス移籍を連絡した際には驚いた様子だったが、同時に「やばいよ」という言葉をかけられたという。
「『本当に頑張らないと投げられないよ』と念押しされるように言われた。僕もそう思うし、危機感を持って頑張りたい」
森唯はソフトバンクで入団から7年連続で50試合登板を果たすなど、ホークスの台所事情を支え続けた。在籍した10年間で日本一が6度。常勝球団で長くにわたり第一線で活躍し、戦力外も経験するなど、ホークスで生き抜く厳しさを肌で感じたタフネス右腕だからこそのアドバイスだった。
上茶谷も進化しようと模索している。参加したメキシコのウインターリーグでは現地の投手に教わりながら、チェンジアップやツーシームなど変化球の感覚を磨いた。「新たにつかんだものもある」と手応えを語る。
「先発で未練というか、やり残したことがある」とローテーション入り、2桁勝利を目標に掲げる28歳右腕。12球団随一の熾烈な競争の中で、どのような進化を見せられるか。